2020年5月21日木曜日

【記事和訳】マイキー・ウェイ:エレクトリック・センチュリーの帰還の内情

元記事:
Kerrang 2020/5/20
Words: Emily Carter
https://www.kerrang.com/features/mikey-way-inside-the-return-of-electric-century/


Electric Centuryが2ndアルバムと付属するグラフィックノベルを発表するにあたり、マイキー・ウェイがその経緯を明らかにした。

マイキー・ウェイは今までで一番 ”ベストな場所” にいると言っている。デヴィッド・デビアクとのElectric Centuryの顔としてデビュー・アルバムをリリースしてから約4年が経ち、ベーシストのマイキー・ウェイは昨年の「Collapser」でコミックの世界に足を踏み入れ、テキサスのスターWaterparksとのツアーに参加し、そして何よりも重要なことに2人の子供の父親になった。彼は最近、自己分析に多くの時間を費やしていて、子供を持つことで「より親切に優しく」なり、より明確に考えることができるようになったことで、子育てから離れた彼のクリエイティブな仕事に大きな恩恵を受けたと考えている。

実際、これらの完璧な融合がなければ、マイキーはこの新しい野心的な事業を成功させるのに苦労していたかもしれない。
Electric Centuryの新作アルバムと、それに付随する同名のグラフィック・ノベルだ。
デヴィッドやZ2コミックスのチームと協力しながら、39歳のマイキーは父親業の合間の空き時間を利用して、音楽と物語が1つになった幻想的な新しい世界を作り上げた。
- その両方が今年の後半にリリースされる。

自宅から『Kerrang!』をキャッチアップしたマイキーは、新しいプロジェクトを控えていることだけでなく、コロナウイルスが大流行している中での予定のない自宅の時間が家族との時間を増やしてくれたことに感謝の気持ちを感じているようだ(「見逃すことになったはずの節目が見れて本当にいい時間を過ごしてるよ!俺の1歳の子が歩き始めたとこなんだ!」)。2つの "エナジーのボール " の掃除から一息ついて、マイキーはElectric Centuryの新譜、グラフィックノベルを作ることになった経緯、そして今後の計画について語った。


Electric Centuryを組んで2016年に『For The Night To Control』をKerrang! と一緒にリリースした時から、セカンド・アルバムを出そうとずっと考えていたのでしょうか?それともその時はもっと1枚だけの予定でしたか?

「このプロジェクトが本当に何になるのか分からなかった。歌がないとだめだし、Electric Centuryのセカンドアルバムは出せるか正直分からなかったんだ。必要ならアルバムを作ったろうけど、今回のプロジェクトのためになって "ああ、これはアルバムなんだな" と思えるような曲が集まった。俺とデイブがiPhoneのボイスメモをお互いに送ってたら、なんだか『これってアルバムなんじゃない?』ってなったんだ。そうやって気に入ったのを時間をかけて集めた。俺って何かを作り続けるかダメになるかなんだけど、__たぶん大抵は音楽関連のものなんだけど、今はコミックをたくさん書いていて、それがいいきっかけになってる。その時の俺にとって夢中になれる大事なことだったんだと思う。それがクリエイティブなものだったから、デイブと一緒にアルバムを組み始めて、たしか2年かけて今日のようなものに成長したんだ。たぶん俺らが(このアルバムを)書き始めたのは2017年だったと思うけど、何曲かはファーストアルバムをレコーディングしてた頃で、まだ完成していなかった曲もあったかもしれない。特に「For The Night To Control」に収録されるはずだった曲があるんだけど、 それは実は今回のニューアルバムの中で一番好きな曲なんだ。その時はまだ完成していなかったから入れなかったんだけど、希望どおりに出来上がって嬉しいよ。」

フルアルバムにできると気づいた時にひらめきの瞬間がありましたか?

ひらめきの瞬間はアルバムプロデュースもしてるレイ(トロ、My Chemical Romanceのギタリスト)と一緒にAliveという曲を作った時だった。俺たちのレコーディングの方法としてデヴィッドがPro Toolsで録音したボイスメモを元に曲の骨格のようなものを送ってきて、それからそのセッションをレイに送ったんだ。レイが俺にAliveのアイディアを送ってくれたことを覚えてるよ。トレーラーで使った曲だ。ピアノのやつ。その時がひらめきの瞬間だった。デモではそういう風には聞こえなかったから、俺はもう「オオ、ワオ」って。この曲がアルバム全体のトーンを決めたような気がする。俺にとってはあの曲が間違いなく要で、全体のアンカーだよ。」

バンドのアカウントは2019年3月にアルバムが「すでにレコーディングされている」とツイートしていました。それは私たちが最終的に聴くことになるものでしたか?それともそれ以降に微調整を加えていますか?

「俺たちはまだまだ微調整をしてる - 昨夜も微調整をしたよ(笑)。まだ作業中だけど、今は仕上げの作業をしているところだ。ちょうどレイから俺に何かが送られてきたんだけど、それがすごく刺激的だったんだ。」

今回、Electric Centuryのコミックとアルバムのどちらが先に思いついたのでしょうか?

「アルバムだった。少し話を戻すと、2014年、覚えているように『For The Night To Control』のプレスが始まって、僕はリハビリに入った。きみたちもリハビリ中にインタビューに来たよな。それからリハビリ施設を出る頃時には、その時の自分の精神状態や断酒に不安でツアーには行きたくないと思ってたから、このプロジェクトに対してすごく違和感を感じたんだ。ちょっと間をおいて『このプロジェクトって何なんだろう』と思ってた。『好きなんだけど、今はどうしたらいいのかわからない』って。『もしかしたらこれは架空のバンドなのかもしれない』と頭の中で考えてた。Gorillaz とかDaft Punkみたいな架空の世界に沿って考えれば、このバンドが生きている世界を作れるんじゃないかと思ったんだ。その思いを留めて知られているようにKerrangを通じてアルバムをリリースしたんだけど、それがすごいことになって多くの人がCDプレイヤーを探しに行くきっかけになったんだよね(笑)」

「そうした後もまだツアーをする気持ちにはなれなかった。でもある時点で『なあ、そろそろ動き出す時なんじゃないか』って思った。今は日付が分からないんだけど、2018年の終わり頃にZ2から連絡があった。俺の古い友人が彼らと一緒に仕事をしていて、彼は音楽活動のためのグラフィックノベルを制作していて、その2つをカップリングするというのは素晴らしいアイデアだと思うんだ。70年代からかなり長い間、音楽とコミックを一緒にするっていうのは人々が取り組んできたことなんだよ。 電話で紳士の一人が『なあ、私はこのバンドにはGorillazっぽいものを感じるんだ...』って言った。それで俺は ”そういうことだったんだ!” っていう別のひらめきの瞬間を得た。 ”これがアルバムで、これがツアーだから...” っていう伝統的なことじゃない何か違うことをしたかったんだ。そうじゃなかったんだ。でも、何か楽しいものにしたかったし、楽しませたかった。だから彼が電話でそう言った時、俺はすぐにこう返答した。『あなたがそんなこと言うなんて信じられない。俺が2014年から考えてたことですよ!』」

「俺たちはみんな同じページにいて、彼は俺にそのストーリーを考えろと言った。でも俺は『そんなの変だろ、だってアルバムはもうできてるのに』ってなった。普通は逆にグラフィックノベルを先に作って、それを中心にアルバムを書くんだよ。だから俺は『よし、俺はこの曲のある世界を創るんだ』っていうふうに考えることにした。だから、曲を何度も何度も聴いて、ずっと考えた。そしてデイブの中で際立った彼の中のニュージャージーが聴こえてきた(笑)。彼は歌がうまいし、彼の主題として俺にはすごくスプリングスティーンが感じられる。俺もニュージャージーで育ったから、記憶が蘇ってくるんだ。すぐにアトランティックシティのことが思い浮んだ。アトランティックシティは俺の子供時代のすごく重要な場所で、俺と家族はそこで何日も過ごして、夏にもよく遊びに行った。当時から何十年も行ってなかったけど、俺の頭の中にはあそこの遊歩道のビジョンが浮かんでいて、そこには至る所にきれいなネオンがあるんだ。それは俺にノスタルジアについて考えさせた。それで、俺たちはどうやってこういう記憶を懐かしく思い返すのか、でももし俺たちが今そこにいけたら、それは記憶の中みたいに素晴らしいものじゃないかもしれない。そして『もし実際にその思い出の中に戻れる方法があるとしたらどうだろう』と考えた。そこから物語の発端が生まれたんだ。」

アルバムとグラフィックノベルを融合させるのは大変でしたか?すごく自然にできたように聞こえますが...

「自然にできたけど、どうやったのかわからない(笑)。どうやってこんなに早く思いついたのか分からないけど__でも思いついたんだ。まるで『このバンドが生きるための世界を創ろう』みたいな大きなチャレンジだった。ニュージャージーじゃなくちゃってのは分かってたけど、もしかしたらアトランティック・ストーリーを伝えたいと思っていたのかもしれない-。脳の奥底にそこを舞台にした ファンタジーの物語が 欲しいという欲求があるんだ!だからこそ、この作品がすぐに俺の中に飛び込んできたのかも。」

今回のアルバムでは、どのようなジャンルの曲をプレイしていますか?For The Night To Controlは80年代の雰囲気がありましたが、このアルバムで音楽的に影響を受けたものが他にありますか?

「この2つのアルバムには共通点があるような気がするんだけど、このプロジェクトではいつも俺が惹かれてる80年代の音楽的傾向がある。80年代のニューウェーブやブリティッシュ・ロックが大好きなんだ...あの時代の音楽は希望に満ちていて、人々が歌っていたクールな憧れのものがある。クールな時代で、まだ無邪気さが残っていたんだ。音楽にこういう無邪気さを持っていた最後の時代だったのかもしれないと思ってるよ。それで、Electric Centuryと一緒に「今の時代のレンズを通して80年代のバンドの中にいるとしたらどうだろう?」っていう探求をした。80年代のニューウェーブを現代的なレンズで表現しているんだ。純粋なノスタルジーじゃない、現代のオーディエンスにも受け入れられるような、Electric Centuryが舵取りをして住んでるものにしたいんだ。」

ミュージシャンとして、アルバムの間にはどのくらいの変化がありましたか?デビュー・アルバム以降、Waterparksと仕事をしたり、Good Charlotteと一緒にUKツアーをしたりしていましたね。そういった経験は影響を与えましたか?

「本当に影響されたよ。Waterparksのツアーに参加できたことはおもしろいアドベンチャーだった。責任を感じずにすむところでやったことがなかったから。純粋に友達と遊ぶだけだったし、宣伝とかそういうことをする必要もなかったし。My Chemical Romanceとしてツアーをしていた時はいつもすごく忙しくてできなかったことだけど、訪れた街を探検するチャンスもあった。俺はWaterparksが大好きだよ。あいつら本当にいい奴らで、素晴らしい仕事観とビジョンを持って、曲の中にある全てのことを本当に大切にしていることが伝わってくる。同じ志を持った人たちと一緒にプレイするのはとてもクールなことだ。世界でお気に入りの場所の一つがイギリスだから、あいつらと一緒にツアーをすることができたのは本当に特別なことだった。My Chemical Romanceとしての忙しさとは明らかに違う経験で、Waterparksとのツアーはもっとゆったりとした冒険だった。」

Electric Centuryではコミックとアルバムを超えた活動を予定していますか?活動が再開したらライブをしたいとは思いますか?

「いつでも考えてるよ!何度かはElectric Centuryのライヴをやれそうなこともあったんだけど、いつかは必ず実現すると信じてる。やってみたいね。でもちょうど今は伝統的なライブができなくて、おもしろいプレイの方法をするにいい時期なんだ。僕とデイヴは住んでるところが離れててるからこそこのプロジェクトにちょうどいいんじゃないかと思う。今では広く受け入れられているから、俺たちでもできることがあるかもしれない。それ次第でElectric Centuryのショーが開催される可能性が高まるね!」


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