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2020年5月20日水曜日

【記事和訳】My Chemical Romanceのマイキー:ロックダウンは「ただの一時停止ボタンだよ」

元記事:https://www.bbc.com/news/newsbeat-52647188
By Will Chalk






2020年5月1日金曜日

【記事和訳】Frank Ieroが逆襲する

元記事:https://www.theaquarian.com/2019/06/18/frank-iero-strikes-back/
Frank Iero Strikes Back
The Aquarian Weekly
記者:Vinny Cecolini 
2019/6/18

毎晩、フランク・アイエロは子供たちに絵本か歌のどちらかを選ばせている。子供たちが本を選ぶことはほとんどなく、"Best Friends Forever (But Not Now) "で始まる歌を一緒に歌うことを選ぶ。9歳になる娘のリリーが双子の妹チェリーにからかわれた時の仕返しとして作ったこの曲は、シンガーソングライターのアイエロがギターを手にして双子と7歳になる息子のマイルズと一緒に作り上げた。アイエロの自宅スタジオでレコーディングし、家族でミュージックビデオも撮影した。子供たちのトリオは、ベッドタイムの歌だけでは満足できないというジレンマを抱え始めていた。アイエロのソロアルバム『Stomachaches』(2014年、Workhorse Music Group)や『Parachutes』(2016年、BMG/Vagrant)に収録されている曲は、彼らの年齢にはまだ早かったからだ。彼が解決策とした "A New Day's Coming "は、新たにリリースする3枚目のソロアルバム『Barriers』(UNFD)の、高揚感と希望に満ちたスピリチュアルなオープニング・トラックだ。

アイエロの新しいバンドThe Future Violentsとレコーディングされたこのアルバムは、いわゆるハッピーアンセムを集めたものではない。このアルバムの14曲のトラックを通して、アイエロは様々なエモーションのパレットからだけでなく、彼の数十年に渡る音楽キャリアで得た様々な音楽スタイルからもインスピレーションを受けている。生々しく、内省的で、懺悔的で、セラピー的なこのアルバムは、コンセプトアルバムではないものの、各トラックは壁を打ち砕き、破るという共通のテーマを持っている。

フィラデルフィアのFoundryのバックステージで、アイエロは複雑な気持ちでいた。1ヶ月に及ぶヘッドライン・ツアーが始まり、いよいよ『Barriers』がリリースされるというのに、彼は家族と離れているのだ。彼は子供たちを学校に見送ってからツアーに出てきたが、次に子供たちに会うのは数日後になるだろう。幸いなことにこのツアーは最初の5回のショーの後、ニュージャージーの自宅の近くで子供たちとオフの日を過ごすことができるようにルートが組まれている。子供たちは、なぜ父親がしばらく留守にしなければならないのか疑問を持ち始めている。彼らはアイエロが担っている職業に感銘を受けるにはまだ幼すぎるかもしれない。それでも彼らは、学校へ行く前に家にやってきた大きなピカピカのツアーバスには興奮していた。

「息子は、なんで近所のパパたちはみんなツアーバスで出勤しないの?と不思議がってるよ。家族と離れるのは嫌だけど、9時から5時までの普通の仕事をして通勤時間も含めたら、毎日家族と一緒にいる時間は限られていただろうな。ツアーの合間は、俺には一日中子供たちと一緒に過ごせる時間があるんだ」とアイエロは笑った。

アイエロの最も知られているバンド、My Chemical Romanceが2013年に解散したとき、彼はソロ活動については考えていなかった。別のバンドでギタリストになりたいと思っていただけだった。Rob Hughesと結成したポストハードコアバンドLeathermouthでは一時期それが実現したが、そのバンドはたった1枚のリリースで解散し、終止符を打った。

「興味を持てないソロプロジェクトになっちゃったんだ」と彼は説明する。

アイエロは人に聞かせるためではなく曲を作ったり、レコーディングしたりもしていた。そのテープを友人がレコード会社に送った時、それは変わった。その最初の曲をまとめたものはStomachachesとしてレコーディングされリリースされ、"Frnkiero andthe Cellabration "とクレジットされた。2ndアルバム『Parachutes』はFrank Iero and The Patienceとされている。BarriersはFrank Iero and the Future Violentsによって製作されている。名前の変更は一種の内部ジョークなのと、バンドメンバーの変更も表している。彼の現在の "ドリーム バンド"は、ギタリストのエヴァン・ネスター、ドラマーのタッカー・ルール(Thursday)、ベーシストのマット・アームストロング、キーボードのケイリー・ゴールドスワーシーをフィーチャーしている。The Future Violentsというバンド名は、実はオーストラリアのシドニーに向かう飛行機の中でのある勘違いから思いついたという。

「セレンディピティ(*偶然の産物)だったんだ。客室乗務員にバンドをやってるんですか?と聞かれて『はい』と答えた。バンド名を聞かれたので俺は『Frank Iero and The Patience』と答えた。彼は『フューチャー・ヴァイオレンツ?変わった名前ですね』って。この二つを間違えるなんてあると思うか?でもこういうのは宇宙が与えてくれるものだって信じてるから、ちゃんと聞いてなかったら気づかなかっただろうな。意味があるか分からなかったけど、名前をメモしておいた。2016年に経験した事故のことを考えだした時、それは俺のすべてを変えた残酷で強烈な出来事だった。まるで湖に岩を投げて、そこから生じる波紋を見てるみたいだった。俺の人生は変わった。もう何も同じようにはいかない...The Future Violentsがしっくりきた。」アイエロは笑った。

シンガーソングライターが死に直面したのは、2016年10月13日木曜日の午後のことだった。アイエロ、ギタリストのエヴァン・ネスター、ドラマーのマット・オルソン、マネージャーのポール・クレッグ、そしてアイエロの広報担当は、シドニーのツイッター社の前に到着した。彼らがバンから荷物を降ろしていた時、突然バスが彼らに追突した。アイエロはバスのフロントバンパーの下で止まるまで9フィート(*約3m弱)引きずられた。ネスターが「足の感覚がない」と叫び、クレッグの足から大量の血が広がった。幸いなことに、事故を目撃していた警察官が駆けつけてクレッグの足に止血帯を巻いてくれたので、彼は足と命を取り留めた。アイエロ、ネスター、クレッグの3人は重体で病院に緊急搬送され、2週間入院してから更なる治療のために帰国した。誰も誰も死なず、全員が退院はしたが、アイエロは自分が生き残ったことへの後悔の念を持っているかもしれないと認めている。

「トラウマになるような出来事を経験した時、人には3つのことが起こるんだ」とアイエロは説明する。「1つは、その話を伝えるために生き残ったってことにショックを受ける。2つ目は、だいたいの人が一度は死にたくなる。俺はもう死に直面したってのに、もう一度そうなることを望んでる。すごく最悪だ。3つ目に、何が現実なのか考え始めた。俺は生き残ったのか、それともこれは俺の潜在意識が見せてるだけなのか。自分にとっての現実を具現化しなきゃなんだ。持ってる手でベストを尽くさなくちゃなんだ」

アイエロの人生は一変させられた。セラピーや彼の感情を揺さぶり魂を探す音楽のセラピー効果でさえも。

「ああいうことから戻ってきたとき、『よし、このことを曲に書くぞ』なんて言えない」と彼は続けた。「そうはいかないんだ。新しい方法を考えなくちゃならない。俺は今でも創作ができてラッキーだよ。プロセスは良くも悪くもないな。物事の考え方が違う。すべてのものの味が違う。まだ家族と過ごす時間があるのは良かった。 長い間、俺の人生の重要な部分を担ってきたことを今も続けている。でも決まっていた運命から騙されてるように感じることもある」

ソロアーティストとして、アイエロは本質からやり直した。Barriersのリリースとツアー開始までの数週間は、目まぐるしく動いた。メディアへの出演、インタビュー、写真撮影、その他様々なプロモーションは果てしなく続くかのようだった。それは焦点を当てられ、注目されたことの結果だった。

「このレコードのカバーは俺の顔なんだけど、これは今までやったことなかったんだ 」と彼は言う。「このレコードは自分の壁を打ち崩すことをテーマにしてるから、そうする必要があったんだ。マネージャーと相談しててカバーをどうするかと聞かれたから、俺は自分のアイデアを伝えた。マネージャーは「お前の顔じゃなきゃだめだって分かってるだろ」と言った。俺は「ああ、くそ」って答えたよ。でも、彼の言う通りだった。自分の携帯で撮った自撮りなんだ。一番怖くてやりたくなかったんだけど、出来上がったものは気に入ってるよ」

Barriersは、かつてNirvanaやPixiesなどの作品を担当した変わり者スティーブ・アルビニがレコーディングとミックスを担当したアイエロのセカンドアルバムだ。

「驚いたことは、彼が制作するんじゃなくて彼が自分にプロデューサーになることを強制することだった」とアイエロは説明する。「責任と最終的な自信の両方がのしかかってくるよ。お前の音楽をお前以上に理解できる者はいないって考え方なんだ。スタジオで逃れられない質問を受けて、他の人を見てみるとその人はまた違う人を見てて、そいつはスティーブを見てる。それでも彼は何も教えてくれない。そしてこう言う。『私は知らないよ?お前はどう思うんだ?』」

アルビニは精神科医や大学教授に似ていて、質問には決して直接答えを出さない。

「イライラすることもあるけど、それは必要なことだった」とシンガーソングライターは続ける。「Barriersでは、自分が決めた条件の中で作品を作って完成させなきゃならないことが分かってた。そのためには、天才的な才能を持っていて、俺がそこに投げ込んだものを何でも取り込んでくれることができる人が必要だったんだ。」

「俺は音楽を色で聞いていて、その歌が頭の中でどう聞こえるか分かってる。だからもし俺が何かを参考にするのを止めて音楽を追いたいなら、それには誰か能力のある人が必要なんだ」

アルバムには事故や自身の以前のバンドへの言及も含まれていて、既にヒットシングルとミュージックビデオ「Young and Doomed」を産み出している。

「アーティストがレコードを書くときには、そのアーティストがどこに向かっているのか、そしてどこを辿ってきたのかを示す曲が少なくとも2曲は入る」と彼は説明する。「Young and Doomed "はその架け橋となる曲だ。俺が今までやってきたことと結びついている。急な変化じゃないけど何か違うことが起きていることに触れているんだ。」

『Barriers』は、幅広いジャンルのヘヴィ・ミュージックをフォーカスしてるインディペンデントレーベルUNFDからのアイエロの初リリースとなる。アイエロの他にもNorthlane、Tonight Alive、Hands Like Houses、In Hearts Wakeなどが所属している。

「俺はこれを悪い経験にはしたくない」とアイエロは微笑む。「今までいろんなレーベルと素晴らしい経験や散々な経験をしてきた。でも、俺のこれまでの経験の中では最高だったし、レコードはまだ出てもいないんだ」

夜の公演のサウンドチェックまであと数分になり、シンガーはシングルとして検討されている "Basement Eyes "と "The Host "について語った。

「Basement Eyes はすぐにまとまった曲の一つだった。すべてが一度に出てきた。歌って恋愛みたいなものなんだ。努力しなければならないものもあれば、助けになるのと同じくらい傷つくものもあるし、完全なパッケージになっているものもある。Basement Eyesをバンドに見せたとき、全員が『ああ、何をすればいいかわかった』と言ってくれたんだ」

「The Host は義理の弟のエヴァンのリフからスタートした。彼は『これ弾いてるけど、すごくクールだね。でもこの曲が何の話なのか全然分からないんだ』って。スタジオでやるまではうまくまとめられてなかったんだけど、それ以来この曲はレコードの中で好きな曲の1つになったよ。」

アイエロはバンドメンバーの一員になる準備をして自分が乗り越えてきたすべての障害について考えるうちに、ソングライティングとパフォーマンスが自分の血筋であることに気づく。

「これが唯一の理由だな」と彼は言う。「この業界は、自分のすべての愛と時間と金...血と汗と涙を注ぎ込んでも、決して愛してくれはしない。俺にとっては当たり前のことだ」

Barriersは11月に完成したものの、リリースまでに春の終わりまでかかってしまった。

"レコードを書いて録音を終えると、アルバムが出て人が聞いてくれるまでの間は奇妙な煉獄にいるみたいになる。今はツアーが始まってレコードも出るところだから、興奮してるよ。音楽に注ぎ込んだすべての作業を終えて、やっとシェアすることができる。それを信じてるけど、自分がおかしかったのかどうかを知りたいとも思ってるよ」

ハードコアなファンのためにFrank Iero and The Violentsは "ネバーエンダー・エクスペリエンス "を提供している。パッケージには、限定Tシャツ、Neverenderのラミネートカード、サイン入りFuture Violentsのセットリスト、各会場への早期入場、グッズスタンドへの早期入場、バンドとの写真撮影、ライヴ中には演奏されない曲のミニセットが含まれている。

「俺たちが3枚のアルバムの中から選んだ曲の中から自分が演奏したい曲のウィッシュリストを作ったんだ。どの会場でも演奏できる曲よりもずっと長いやつだ。俺たちは全曲を練習したよ。ライヴが始まる前にやれないセットをやったり、実験的に色々な方法で音楽を紹介できたらクールだと思う。それを試してみたいんだ。」

Frank Iero and The Violentsのサウンドチェックが始まる時には、既に2ダース以上のファンが会場の外に並んでいる。開場まで4時間以上あるにもかかわらず、チケットを持っている人たちはその場にいることに興奮している。何とも言えない特別な雰囲気が漂っていて、それをできるだけステージの前で体験したいと思っているのだ。


2017年4月29日土曜日

【Frank】Jersey Beat Interview

Jersey Beat Interview: Frank Iero


取材者:Deb Draisin

翻訳:@frankierojapan


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Q: おはようFrank。久しぶりの取材だね、元気にしてる?

F: おはようDeb。久しぶりじゃね。元気してるよ、キミは?

Q: 元気よ。お互い大変な1年だったね―死や事故、狂気、失った給料。

F: それ毎日じゃろ?(笑)

Q: 確かに。お互い大ファンだから最初に聞きたいけど、この10年間で出た好きなホラー映画は?

F: Fun and Gamesは最高だったよ


Q: 教えてくれてありがとう、観てみるわ。だって最近観たホラーはみんなひどいもん。たとえばAnnabelleとか、あれすごく勧められたのに最悪だった。

F: ああいう映画って毎回がっかりするよ。The Conjuringとかさ、あれ系は全部クソじゃ。

Q: ひどいよね。American Horror Storyもひどかったよ。最近観てよかった映画はLights Out―よかったら観てみてね。

F: Get Outもすごくよかったと聞いたよ。

Q: でもね、Get Outには残虐映画の部分もあったけど、本当はコメディーに近いよ。すごく怖い映画だと期待したけど、実際観てみると笑いっぱなし。Freddy Krugerの映画みたいだった。

F: あ~ならいい。俺はそういうB級感ある映画が好きさ。新しい感じで同じことやろうとしてたらばかばかしい映画になるかもしれんけど、俺は別にB級感は嫌いじゃないよ。

Q: Vincent Priceの全作品はめっちゃいいよね。

F: じゃろ?Vincent Priceの作品なら間違いないよね。たとえばLast Man On Earthでさ、杭を打とうとしてるシーンとかさ。

Q: そうそう!

F: あんな打ち方じゃリンゴすら切れんのによ(笑)あの映画大好き!

Q: Priceは巨匠だからね。Dr. Phibes Rises Againで彼がノドの穴から魚を食べてて骨がノドに詰まって、骨をそのまま穴から引き抜くシーンとか、もう傑作だよ。Hitchcockの映画も傑作が多いよね。一番好きなクラッシクホラー映画は?

F: House on Haunted Hillかな、あれ大好き。Universalの映画はみんな素晴らしいけど、子供の頃に父とHouse on Haunted Hillを観たの覚えてる。

Q: 私も父と観てた。ホラーサンデーをやってた。

F: いいね。そうやって絶対観ちゃいけんものをいっぱい見せてもらった(笑)父が子供の時House on Haunted Hillを観たらしくて、くそビビったんだって。ケーブルから骸骨を吊るすシーン覚えてる?

Q: あのシーンやばいよね、くそウケる。

F: 映画が出た当時は映画館で実際にやったんだって!観客が大騒ぎしてて。

Q: 昔はそういうのやってたよね。あの50年代の宇宙人映画みたいにさ、ラジオでバイラル・マーケティングやって、宇宙人が本当に来るって信じてた人がいたよね。

F: War of the Worldsかい?


Q: だと思う。私そういうの大好き。Vincent Priceといえば、映画の中で観客に直接語りかかるシーンってあっただろ?ほら、手が勝手に動くやつ。

F: The Tinglerだったっけ?

Q: そうそう。Priceが観客に〝動くな!すぐそばに来てる!〟って言ってる間に映画館が電気を全て消して、席の下に仕掛けたブザーで観客をびりびりと感電させたらしいよ。今じゃ無理だろうけどさ。

F: 今やったら誰か心臓麻痺起こして映画館を訴えるじゃろうな。

Q: だよね。次の話だけど―親はいつも子供を自慢したがるから、お子さんのどこが自慢?

F: 堂々と自分でいるとこだ。貴重なことで、子供の時にしかできないことだと思う。自意識がまるでなくて、あるのはありのままの自然なユニークさだけ。そのユニークさを隠しやしない。

Q: それも親のおかげだと思うよ。自由に自分を表現していいことを促す育て方してるからこそ、子供は安心して自分でいられると思う。

F: だといいけど。そこが大事よね、そのユニークさを潰してしまうと全てがダメになる。6歳児は自意識なんかいらんよ。大人になってからは十分自意識過剰になる時間あるけん。

Q: いらないけど、同級生がそのユニークさを潰してあげるからね。あと何もかも親のせいにしてしまうとセラピーの請求書がそれなりに高くなっちゃう。次だけど、現在の悲惨な政治情勢からしたら、"I Want To Kill The President"を復活するタイミングではないでしょうか?曲名変えたらきっと誰も気づかないと思うけど。

F: いや~あれはね、高い、高い値段がついた間違いだったな(笑)

Q: 今までにない経験だったんだろうね。

F: 独り身なら別に面白いと思うけど、妻子がいるとね・・・人に迷惑かけちゃいけん。

Q: 大人になるとこうなるって教えて欲しいよね。

F: 教えて欲しいよね、ほんまに。教えてくれればもっとうまくやってたのに。

Q: 曲名変えればいいじゃん。そこまでの話よ。気づかないってば、ミュージシャンの自由だもん。

F: まぁね。若い頃は怖いもの知らずじゃけんね。

Q: でも恐れることがこの世にいっぱいだってすぐ知らされるよね。じゃさ、これから出る新EP〝Keep the Coffins Coming〟について話そう。

F: Stomachachesのツアーが終わったら、マネージャーのPaulと話してたけど、〝これからどうしたい?〟って聞かれたけど、その時はまだ何も決めてなくてさ。すると死ぬ前にやりたいことの話をした。俺は曲を書いたりしてたけど、次のアルバムどうすればいいかまだ分からなかったけど、ずっとSteve Albiniと一緒に仕事がしたいという話になった。

俺らはStevenに連絡してみると彼のスケジュールに3日間の空きがあったけん、車を借りて彼のシカゴスタジオでEPをレコーディングした。その時、新曲はI'm A MessとVeinsのデモしかなかったよ。Veinsは未完成のまま終わったけど、MessとBest Friends Foreverのフルバンドバージョン、No Fun Club、そしてYou Are My Sunshineをカバーした。その4曲がEPに収録されてる。

不思議なことで、EPのMessはデモだと思ってない。フルバージョンだけど、ただLPにあるバージョンとちょっと違うだけ。Rossとスタジオに入った時、またMessをしようかどうしようか悩んだけど、大好きな曲じゃけんやることに。2つのバージョンが大好きで、曲の始まり(EP)と終わり(LP)が聴けるって面白いと思う。どっちも正式バージョンだ。じゃけんEPをリリースしたかった―StomachachesとParachutesの架け橋なんだ。

Q: ツアー中にはどっちの"I'm A Mess"を披露するの?

F: どっちもしない(笑)ライブバージョンを披露する。

Q: 面白そうだね。お子さんの曲をカバーしてるけど、お子さんはそれについてどう思ってる?

F: いい質問だね!Lilyは大興奮したよ。ロシアでBFFをやった時の動画見せたら彼女が〝私って有名なの・・・?〟って聞いて、〝そうだな、有名かな。国際的ソングライターだ。ファンも曲を知ってるし、大したもんよ〟って。

Q: そうですね!次の話だけど、去年はFrankにとって大変な一年だったね。最愛の祖父の死(お悔やみ申し上げます)、そして自分も重大事故に巻き込まれた。その経験はアート、そして人生へのアプローチをどう変えた?

F: どうじゃろ?分からんかも。とりあえず俺はまだ生きてる。出来事への気持ちは毎日変わる。毎日思い出すし、毎日考える。自分を変えてしまう出来事だ、それだけ。どんな風に変えたかはっきり分からんけど、同じ人間じゃないってことは実感できる。よりよい人とか、そうでない人という意味ではなくて、ただ・・・同じじゃないって分かる。

Q: そうだね。バンドのみんなはどう?身体的に、精神的に落ち着いてる?

F: 回復的にはまだまだ時間かかるし、人生はこれからだ。

Q: 事故の原因は分かる?

F: 原因とかについてはね、第三者から色々聞くけど―警察の調査報告とかさ。でも今でも調査中じゃけんね。俺が分かるのはただ悲惨な事故ってことだけだ。

Q: 信じられないよね。

F: ああ、大変だったよ。

Q: キミの事故についての取材って本当信じられなかった。そんな悲惨な事故を経験するなんて。その瞬間、自分の今までの人生を思い浮かべた?

F: 少しね。その瞬間にたくさんのことが思い浮かぶし、全てが明確になる。ほんの一瞬なのにすごく長く感じる。正直言うと全てについて考える。そしてなんだか穏やかな気持ちになって全てに別れを告げる。


Q: 大変だったね・・・その後は最初何をした?自宅に電話した?

F: そう、みんなが搬送されてから電話した。まずはみんなが治療を受けることを確認した。2番目は自宅に連絡して事故があったこと、入院することになるから病院から連絡すること、そして何より、ニュースを観ないことを伝えた。

Q: そうだよね、だってニュース観ても悲惨な事故が起こったことしか言わないもんね。Jamiaかわいそうに―同じ日に家族2人が外国で入院なんて。そんなの耐えられないわ。

F: しかも自分から一番遠い国にね。つらかったよ。

Q: みんな無事で何より。

F: ありがとうDeb。


Q: 事故を経てバンドの絆が強くなった?関係は変わったと思う?

F: 変わったと思う。木曜日でちょうど6ヶ月が経つけん、みんなで集まろうと思って。そういうの経験して絆が強くならないわけがない。

Q: もう6ヶ月経つんだね。早い。でも分かると思う。だってあの瞬間、どんな気持ちだったか知ってるのはキミたちだけだもんね。次の話にしよう。もっとハッピーな話題を。キミはいつかまた大学に行きたいって言ったけど、大学に戻るなら何を勉強しますか?

F: 学士号を取得する寸前だった時に中退した。学位記があったらいいなと思う。ちゃんと最後までやればよかった。専攻といえば、どうじゃろ?当時は美術を専攻にしたけど、その時は今中退して本当の美術の世界に行くか、ここに残って勉強して就職か?っていうか今仕事あるけん、学位記の紙一枚のためなんかに残る必要ある?という格闘があった。これがチャンスだと思ったけん中退した。大学に残って美術を語るか、実際の美術の世界で生きてみるかだった。

Q: 18か19歳ならきっと同じ選択をしたと思うよ。年をとると考え方が変わるけどね。

F: そうだね。でもいつかは学士号取りたいな。まだそんな余裕ないけどね。

Q: 本当に大変だよ。私は今3年目だけど、文学士号を取得できるまで5年かかりそう。

F: だよな。長い間やってないと色々忘れてしまうじゃろうな。

Q: 大変だけど、教育が大事だと思うから自分の態度が変わる。

F: 若い頃はそこまで大事だと思わないような気がするよね。でも自分の意思で大学に戻るって目標があるけん態度が変わる。

Q: 勉強がしたいって思うからね―親のためにとかじゃなくて、自分のために。

F: そのとおりじゃ。すごくいいことだと思うけど、俺って長い間論文なんか書いてないけんね。もう出来んかも。

Q: まぁでもキミみたいに文章が得意人は問題ないと思うけどね、特に好きな美術に関しての論文ならね。本当に難しいのは試験だ。

F: そうかもね。勉強自体が一番大変だろうな。

Q: 勉強はイヤだよ、本当苦手。それじゃ、Parachutesの話だけど、好きな歌詞はある?

F: 好きな歌詞、それとも好きな曲?

Q: 両方?

F: 好きな曲は"I'll Let You Down"―たぶんあの曲は存在するはずじゃなかったけんかな。ツアー中にアコギーで書いた曲で、アコースティック曲としてしか思ってなかった。するとアルバムのレコーディング期間が一週間遅れることになって、バンドのみんなが待機常態に。せっかく曲持ってたけん、フルバンドでできるようにアレンジして、やってみようって。すると結局はアルバムの中で一番好きな曲に。

Q: 私も好きよ、すごくキャッチーだ。早くライブで聴きたいね。

F: ありがとう!楽しみにしててくれてありがとう(笑)

Q: だろう?〝いや、あの曲は別に・・・〟とか言ったらひどいだろう?好きな曲は答えたけど、好きな歌詞は?

F: うわ、なんじゃろ?ひとつだけ選べんかも。〝Nothing can hurt me like I hurt myself/
俺ほど自分を痛みつけるものはない〟かな。

Q: 共感できる歌詞だね。みんなの気持ちを代弁してる。

F: じゃろ!

Q: アーティストにとって傷心って大事だと思う?100%自分に満足したら、アートは作り続けると思う?

F: 難しい質問だな。でもつらい時にしか作れないって思いたくない。幸せも不幸も必要だと思う。苦悩や傷心の体験からアートを作ることがやりやすいかもしれんけど、そういうやり方しかないと思いたくない。絶対的条件ではないと思う。

Q: まぁでも私たちみたいな自分に満足できない人には分からないよね。

F: そうじゃろ?〝アーティストになりたい人へのアドバイスは?〟とよく聞かれるよ。俺の答えは基本的に〝冷め切った熟年夫婦関係のような生活したいならアーティストになれ。これでもかというぐらい愛してるのにアートはお前のことをなんとも思ってないようなもんさ。一生分の自己嫌悪と失望が待ってる。〟

Q: そのとおり!私の息子と息子のバンドのギタリストがこれ以上自己嫌悪してたら観客引くぞって注意されたことあるよ(笑)

F: じゃけん俺はRossとスタジオに入るのが不安だった。彼って人を圧倒するような存在だと思った―人に怒鳴ったり、物投げたりとかさ。でも本当はその反対だった!やってること全てがポジティブ。あんなにポジティブな経験は初めてだった。まずはミュージシャンを挫折させてから徐々にスキルアップさせるって音楽業界でよくあることだけど、彼は違った。挫折をさせず、今の自分をスキルアップさせてくれる。彼は今まで一緒に働いてきたプロデューサーの誰よりも刺激的だった。

Q: なんと!ポジティブ・フィードバックでうまくいったんだね!びっくり!

F: ありえんじゃろ?自分でも信じられん(笑)

Q: Parachutesの歌詞は当時の自分の心の中を表現してると以前言ったことあるけど、もっと俺のここを理解して欲しい!というところをひとつ選ぶとしたら、どこ?

F: うわ・・・難しいな。答えるならMessからの一言で〝I'm tired of miracles and being so understood/奇跡や理解されてることにうんざりなのさ。〟そこまで理解されんでいいような気がする。自分だけの秘密があっていい―とりあえず何かを作って、何かを伝えようとするんだ。正直であればそれでいい。理解されるかどうかは二の次だ。若い頃には分からんかったけど、アートの最終段階というのは世の中に解き放つこと、コントロールを譲ることだ。俺ってよく〝いやいや、これは俺のモノだ!渡すか!〟ってなったけど、大事なのはそこじゃない。一番大事なのは作品を手放すこと。ほら、親としても同じだ。いつかは子供を自由にせんと。

Q: その話はやめて!私の子育てはもうそこまで来てるから!心配なの。

F: あれほどつらいことはないよ。でもそこが重要なんだよね。

Q: 確かにそうだね。ファンとミュージシャンの境界線についてもう一度話してもらっていい?ファンの迷惑行為がどれほど恐ろしいことか分かるような一言をお願いします。

F: 覚えてて欲しいのは俺らはみんな人間だ―ファンもミュージシャンもみんな。人間ではなく、商品や神のような存在として考え始めるとトラブルに繋がる。ライブで100%出せるようにパーソナル・スペースと自分の時間が必要不可欠。

F: ライブ後にファンとよくミーグリするから、迷惑なファンが出てくるなんて驚きだ。たまにしか行けない国でライブしてるとは言え・・・

F: それも配慮しようとしてる。国によって文化は全然違うけんね。

Q: 時間を作ってくれて本当にありがとうFrank!ブルックリン公演を楽しみにしてる。

F: 俺も!ありがとうDeb。

2017年4月20日木曜日

Tattoo.com Interview: Frank Iero and the Patience

Tattoo.com Interview: Frank Iero and the Patience


取材者:Jessica Golich

翻訳:@frankierojapan


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4月18日にブルックリンのMusic Hall of WilliamsburgでUSヘッドラインツアーがスタートしますね。ツアーに参戦するファンって何が期待できますか?
Parachutesを引っ提げた初のUSツアーじゃけん、アルバムからの新曲と前のアルバムからの人気曲(B-Side曲も少し)が期待できる。新しい曲とそうでもない曲がバランスよく入ってると思うよ。
Frank Iero and the Patienceの経緯を教えてください。
Stomachachesのツアー後に次のチャプターを始まる時だなと思って。アーティストがスタジオに入ると過去のことを全て燃やしてソングライティングへのアプローチを変更する必要があると思うんだけど、そうやってアルバム作るとバンドのサウンドって変わるじゃないですか?なのにバンド名が変わらないというデメリットがある。でもこれが俺のソロプロジェクトじゃけん、今の立場じゃ俺の言うことは絶対で好きにできる。しかも俺の名前がバンド名に入ってるから毎回バンド名変えても誰が関わってるか分かるけん混乱しないよね。前回は賑やかな何かが必要だと思ったけんcellabration(お祝い)にしたけど、フロントマンという役割に慣れてきたから今回はそういうのいらないって思って。今回必要なのは深呼吸して今を楽しめること・・・忍耐という美徳が必要だと思った。 
もしキミが自分のライブをファンとして参戦するなら、どんなライブ体験が理想ですか?
みんなに楽しんでほしくて、その瞬間の完全なる共有が理想だね。お互いを助け合ってポジティブな思い出を作って欲しい。
タトゥーって芸術的な表現として社会のためになってると思いますか?
もちろん。人が芸術的でユニークに自分を表現できるって社会のためになると思うよ。
一番好きなパーソナルタトゥーとその彫り師について教えてください。
俺ってすごく恵まれててたくさんの素晴らしい彫り師にタトゥーを彫らせて頂いたし、中には友達になってくれた彫り師もいて本当にラッキーなんだ。そんな中で一番思い出に残ってるのはKat Von Dが彫ってくれた祖母と祖父のタトゥー。彼女はアーティストとして、人として最高で素晴らしいタトゥーを入れてくれた。そのタトゥーを見た俺の祖父の嬉しそうな笑顔はよく覚えてるよ。祖父が生きてるうちに見れて本当よかった、追悼タトゥーじゃなくて。
ミュージシャンとして今までのキャリアを代表するテーマソングを選ぶとしたら、どんな曲にするか、そしてその理由を教えてください。
なんじゃろ?初めて聞かれたし、あまり考えたことないな。たぶん〝マイ・ウェイ〟にするかな。かっこいい曲だし、初めて聴いた時ははっきり覚えてるよ。まだ小さかったけど、祖父が入ってたバンドが地下にあった小さな煙たいクラブでカバーしてた。いい子にしてたら週末にそのクラブに連れてってくれたんよ。すごくパワフルな曲でそこにいたお客さんがみんな一緒に歌ったり踊ったりしてたの覚えてる。自分に合ってるような気がする。今までは自分の好きなように生きてきたけん。そういう生き方が俺の誇りだ。
2017年のFIATPファンはどんなことを楽しみにできますか?

たくさんのツアー、そしてStomachachesとParachutesの架け橋になる新EPも今年リリースする予定。

もし1ヶ月間好きなアーティスト(亡くなったアーティストでも)と好きな国でツアーができたら、誰とどこにします?

ずいぶんと詳しい妄想だな!国は日本を選ぶ―めっちゃ好きな国で最近全く行ってないけん。アーティストは祖父―彼は俺の知ってる中で最もアメイジングな人だし、きっと日本も好きだったと思うけん。

ツアーとツアーの間のアルティメット休日の過ごし方とは?

絶対寝ることだ。14時間寝るとか(家じゃ絶対にありえないんだけどね)。起きたら子供たちと嫁さんとブランチを食べに行ったり、レコード屋巡りしたり(すごくリラックス効果がある)。そのあとは映画を観に行く。

最後にファンへのメッセージをどうぞ。

今回のDave Hause and the Mermaidとのツアーをめっちゃ楽しみにしてる。アメイジングなライブ体験になると思うし、絶対盛り上がるけん、ライブで会おうや!

2017年4月16日日曜日

【Frank】AXS Interview


AXS Interview: Frank Iero


取材者:Tom Shackleford

翻訳:@frankierojapan


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AXS: 去年の秋にバス事故に遭いましたが、皆さん調子はどうですか?2017年はフランクとバンドメンバーにとってよりいいスタートを切ってますか?
FI: とりあえずはいい感じだよ。今年2回目のツアーが終わったばかり―3週間ロシアにいたけど、ライブが全部最高でキッズもすごかったけど、人生で一番大変なツアーだったな。ツアー中の移動が・・・初めてだよ、あんな大変な移動(笑)。メインの移動手段は電車なんだ。じゃけん俺は最初〝なるほど、機材は荷物専用車両に積んでから席に行けばいいか〟って思ったけど、駅で電車は5分しか停車しない。5分だけだよ?なのに俺らはギター9本やペダルボード、ドラムの機材、そして俺ら個人の荷物も持ってて、5分の間でなんとか全部押し入れて席に座らんといけんよ。まるで消防者訓練みたいな感じだったよ。その最中に人が電車を乗り降りしてるし、並んで待ってるっていうわけでもないし、とにかく我先にと電車に強引に乗ろうとする。機材も全部なんとか電車に入れてからは22時間の旅がスタートするけど、その途中で降りる時も同じ混乱の渦に巻き込まれることになるって気づいて軽く絶望する。
AXS: 5分以内に機材とか乗せなかったらどうなる?
FI: 分からんよ。それが怖くてとりあえず間に合うようにした。移動のストレスのせいで腸に潰瘍が3つ出来た気がするわい。そして最高なのはさ、混乱を乗り越えて無事機材を乗せたとしても、夜に到着駅に着くとランプやエレベーターが一個もないよ。まぁでも生き残ったけん、俺らの勝利とする。
AXS: ポストMy Chemical Romanceの2つ目のアルバムのツアーサイクルに入って6ヶ月だけど、今回のアルバムやライブはStomachachesに比べてどうですか?
FI: 6ヶ月が経ったけど、事故などあってまだ2つのツアーしかしてない。でももう2度とプレイできないと思ったけん、これが第2の人生で自分のやることやクリエイトすることもある意味で一新したという感覚はある。ライブがどうかというと、すごく元気をもらってる。今回のアルバムや曲はライブに持って来いなんだ―ライブでやる必要があるようなアルバムだから。アルバムの進化や変化については、初めからすごく非現実感があったから、毎ライブで違う感情が湧き出るんだ。本当すごいよ。
AXS: アルバムは刺激的で心からのサウンドだけど、フランクにとってParachutesってアンプの音を上げた感情を打ち明けるシンガーソングライター風のアルバムだと思いますか?
FI: 実はそれについて考えてたけど、アルバムは基本的にフォークだ。Stomachachesもそうだったけど。シンガーソングライターの弾き語りを思わすところがあって、そういって意味ではフォークとして扱っても違和感ないと思う。そしてStomachachesからParachutesの間ですごい進化が感じれる。それが次どうなるか分からんけど、それも考えてるよ。どう次に繋がるか楽しみだ。
AXS: ParachutesではRoss (Robinson)と一緒に非常に短い間でレコーディングしたけど、その場で曲を仕上げるプレッシャーはありましたか?
FI: それが問題だった。17日間しかなくて12曲をレコーディングしたかった。実はそれよりもたくさんの曲をやりたかったけど、時間がなくてね。じゃけん初日から曲の選別作業に取り掛かって、これはキープでこれはカットの繰り返し。12曲をやらせるようにRossと戦ったっていうか、説得させんといけんかった。〝この12曲をやらせてくれるなら何でもします、最後の2曲がないとアルバムに意味がないから〟と頼んだ。結局は全部やったけど、スタジオに入る前からどんな風にしたいかしっかりと頭に入れる必要があった。唯一の不確定要素は最初俺がベースをやろうと思ってたけど、全曲を生レコーディング出来るようにSteve Evettsにベースをお願いすることになった。彼が一緒にスタジオにいてくれたこと、みんなと一緒にプレイしてくれたことがアルバムにエネルギーと強烈感を。
AXS: もう一度やるとしたら同じようにやろうと思いますか?
FI: 音楽的には同じようにレコーディングすると思う。あとやりたかった曲が全部レコーディングできるようにもう1日や2日ぐらい伸ばしたかな。そして喉が休める時間も入れて、一週間ぐらい空けてからボーカルをレコーディングしたかな。俺らのやり方でボーカルを全部終わらせるために病院で2回もステロイド注射を。初日から17日目までずっと100パーセントで歌ったけん。Rossとレコーディングして面白いなって思ったことは、俺らをみんな同じ部屋に入れてプレイしながらボーカルもやらせるんよ。彼ってボーカルを別でレコーディングするのがあまり好きじゃなくて、生でレコーディングした狂乱したボーカルの方を使いたがる。でも理想は喉に1週間半の休みを入れることだな。でっかい針でケツが刺されるのイヤじゃけんね。
AXS: ライブでやって楽しい!って思う新曲は?
FI: I'll Let You Downが最初から俺のお気に入りだ。あの曲はイギリスのツアー中、深夜にアコギ一本で書いた曲で当時はただのアコースティック曲だ思ってた。Rossとのレコーディングが始まる直前に何か問題があって、レコーディングが急遽一週間ずらすことになった。その間にずっとリハしてた曲をやりすぎちゃいけんって思ってI'll Let You Downをやろうって。バンドとしてプレイできるアレンジを思いつきで書いて、のちのちはアルバムに入ることになっちゃった。今じゃ俺の大好きな曲のひとつだ。存在しないはずの曲の割にはすごくうまくいったよ。
AXS: 僕は2000年のニュージャージーで10代を過ごした人間として、ニュージャージー/ロングアイランド周辺出身のバンド(My Chemical Romance, Senses Fail, Taking Back Sunday, Brand Newなど)が10代のキッズに与えた影響をよく覚えてる。振り返ってみると、あれがコマーシャルロックの最後のムーブメントだと思いますか?
FI: うわ、どうじゃろ?分からんな。やってる側の人間としては、えっ?人ってこれに注目してんの?って感じだった。ブームになるなんて誰も思わんかった―だってそういうことって普通ないじゃん。リハに使ったスタジオにメジャーレーベルからの電話が来ることが、少なくても俺らにとっては夢のようでなんかバカバカしかった。俺らはそういうの無視してとにかく一所懸命努力した。そういうムーブメントがまた起きるかというと、なんだろ?もう起こらんでもいい環境になってきたような気がする。今は自分で音楽を出せる方法がいくつかあるからね。自分の音楽を広めるためにメージャーな企業に頼らない傾向があると思う。そういうのがまた起きるか?さぁな。起きる必要はあるか?たぶんない。それがいいんだ。