2014年10月1日水曜日

【frank】music and riots magazine 取材



英文はコチラ。

取材者:Andreia Alves
写真:Justin Borucki
和訳:@postmcrjapan

元マイケミのリズムギタリスト、Leathermouth、Death Spellsのボーカル、そして難しい苗字の持ち主として知られているFrank Iero。しかし今回はソロアーティストとしての素顔を探ってみました。昔からじっとしていられない性格で、マイケミの解散後はソロとしてデビューするつもりじゃなかった。創造力溢れるミュージシャンですが、持病(胃腸病)が悪化したら、痛みから気を紛らすため、苦しみながら作曲を始めた。アルバムコンセプトはただそれだけ。じゃどういうアルバムかというと、非常にシンプルで正直、そして挑戦的な〝stomachaches〟は魅力的かつ忘れられない一枚です。今回の取材でマイケミ解散後の活動や新しいアルバムへの道程を楽しく語って頂きました!

10代の頃から積極的に色んなバンドに参加して来ましたが、やっぱり1番目立つのはマイケミですね。去年の解散後はいかが過ごしましたか?
めちゃくちゃ忙しくてバタバタしたばかり。もっとリラックスできるかと思ったけど、突然山ほどの仕事が入ってきたりとか。ずっと前からそうだった(笑)面白そうな仕事のオファーが入ると何も考えずにすぐOKしちゃってさ。すると色んな仕事が重なって時間が足りなくなって…忙しくなるわけですよ。でもクリエティブ面では充実してるからいいんだ。
マイケミがすごく好きだったから、解散のこと聴いて悲しかったです。
悲しむことないよ(笑)もしマイケミが存在しなかったら悲しいことだけど、ファンとの関係、そしてバンドとしてはみんなすごく楽しんでたよ。みんな元気にしてるから大丈夫。
Gerard Wayも今年ソロアルバムをリリースしますが、一緒に遊んだり、音楽のアイディア交換したりしますか?

いや、しないね。普通の世間話はするけど、音楽的なことはもうしないね(笑)  

ちょっと前はTim Burton監督「Frankenweenie」のサントラのために曲〝This Song Is A Curse〟を書き下ろしたが、どうしてサントラに参加することになりましたか?
かなり前だったけど、オファーが来た時はまだ映画制作の途中だった。俺はTim Burton監督の大ファンで、「Frankenweenie」のオリジナル(ショートフィルム)も大好きだったから、映画に使える音楽を募集しているの聴いたら興味があって、試写会に参加した。当時マイケミはロスでスタジオを建設中で忙しかった。みんなに相談したら「ちょっと参加する時間があるかどうか分からないね」って言われたけど、僕はどうしても観たかったから「じゃ俺一人で行くよ!わざわざ時間を作って作曲するほどかどうか見に行くから」って(笑)スタジオでたくさんの人とまだ未完成の映画を観てすごく感動した。本当によく出来た映画であんなに早い段階で観れてもうワクワクした。観賞中に印象に残った台詞やアイディアをメモって、もうやる気満々だった。ロスに戻ったらみんなに時間あればぜひやりたいし、もう曲浮かんでるし、やるべきだと思うと提案したけど、反応がちょっと微妙だったから「バンドとして作曲する時間がないなら、本当にやりたいから一人でやる」と。反対されなかったから次の日に作曲して完成させた。

それ以外にも双子の娘(リリー、チェリー)と〝B.F.F〟を作曲作詞したが、すごくかわいい曲でお子さんたちがフランクに大きなインスピレーションを与えているでしょう。父親になって人生観は変わりましたか?

もちろんです!(親になるのは)間違いなく人生を変える経験で、もう二度と前の自分に戻れなくなるよね。一緒に作曲、レコーディングする機会があって本当よかったです。うまくいってよかったし、一生忘れられない大切な経験だった。
frankiero_credit_justinborucki

〝作曲もレコーディングもすごく時間がかかって、時には大変で、時には療法的で。 でも立ち直るまでにはそれぐらいの時間が必要だった。最後の最後には報われたというか、変に救われた。〟

普通は長年バンドメンバーとして活躍してきたミュージシャンがソロになると、以前のバンドとまったく違うサウンドのソロプロジェクトをする傾向がありますが、フランクの場合はそうでもないですね。
 
なんとなく自分のために作ったからね。新しいアルバムそ出すとか、バンドを結成するとかよりは、病気の苦しみや痛みを乗り越えるために作りました。最終的には普通の人間に戻りたかっただけ。そしてそれが出来てからちょっと一歩引いて自分が作った曲を見てみるとなんか・・・大きなものを作っちゃったみたいで。「運命だった」とかはあんまり信じないけど、大変な苦しみから何かが産まれてよかった。「自分のために創作する」や「創作のために創作する」―この二つのことを強く信じている・・・しかし今回は人にいい影響を与えるように期待して、自分にプレッシャーをかけてリリースすることにしました。

ソロプロジェクトの名前〝frnkiero andthe cellabration〟の由来は?

俺と俺のギターだけじゃないぞ、という雰囲気を出したかったからだよ(笑)ちゃんとしたバンドだと人に認識させたかった。俺はフロントマンとしては下手だから、それを誤魔化すためになんかお祝っぽい名前がいいかなと思いました。人が「cellabration(お祝、パーティー)」が来るぞと思うと勝手盛り上がるから、俺は盛り上げるのにそれほど頑張らなくていいからね。

デビューアルバム〝Stomachaches〟ですが、痛みを耐えながら少しずつ作り上げたアルバムですね。作曲などアルバム作りの作業はどんな感じだったんですか?

作曲もレコーディングもすごく時間がかかって、時には大変で、時には療法的で。 でも立ち直るまでにはそれぐらいの時間が必要だった。最後の最後には報われたというか、変に救われた。

〝Stomachaches〟の曲は療法的だとおっしゃいましたが、今回のアルバムは痛みからアートが産まれることを象徴していると思いますか?

そう思う自分と、思わない自分もいるね。それよりは、痛みを何か良いこと変えることができるってことかな。痛みや苦しみから絶対的にクリエーティブな何かを生み出さなきゃ!というわけじゃない。やろうと思えば芝居もできるけど(笑)それも絶対的ではないけど、やろうと思えばできる。

音楽的に何かに影響されましたか?

正直、人生だった。取材を受けることによって自分じゃ思いつかない質問がたくさん来てて、アルバムを違う角度から見れるようになりました。取材に答えていく内に、自分が体験したことや聞いた話など自分の過去―3ヶ月前とかじゃなくて子供の頃まで―考えるようになった。人がどうやって成長していくのか、どういう体験するのか、そういうフォーク的なアルバムです。

今回のアルバムの一つのすごいところは楽器はドラム意外(ドラムは元マイケミツアードラマーJarrod Alexanderが担当)すべてフランク一人が演奏しましたよね。レコーディング作業はどうでしたか?

寂しかったわ!(笑)ドラムはほとんど友人のJarrodがやてくれたけど、彼は物すごく才能があっていつも全身全霊でドラムを叩く。でもだいぶ後になって書いた曲(〝Joyriding〟や〝Smoke Rings〟)は自分でドラムをやることになって、実は〝Smoke Rings〟はドラムプログラムでやってたね。作業は曲によって違うけど、ほとんどの場合はパソコンでパッチワークを作って、そしてそれに合わせてベースを引いてデモを作った。なんでわざわざそんなことしたの?とよく聞かれるけど、正直わかんないや(笑)たぶんベースはあんまり引いたことないから逆に刺激的だったかもしれない。ギターとかは俺にとってボーカルみたいなもんで、ボーカル同様にレコーディングした。本当、今回はドラムとベースがメインですね。
FRANKLERO-SMALL1
〝人がどうやって成長していくのか、どういう体験するのか、そういうフォーク的なアルバムです。〟

〝Weighted〟は何があっても人生を楽しめること、人生を祝うことをテーマにしていると思いますが、サビはすごく頭に残りますよね。どんな風に作曲しましたか?

〝Weighted〟はね・・・サビ、メロディー、ボーカルがすべて早い段階で思い浮かべて、実際にデモを作ったのはカナダのホテルの中だったね。モントリオールだったかな?James DeweesとやってるバンドDeath Spellsの短いツアー中で、ある休日みんなは映画とか見に行ったけど俺はホテルに残り頭の中に浮かんでいた曲をたたき出すことにした。マイクを借りてトイレの中に閉じこもって(笑)ベースを中心に書いたのにベースがなくてね、とりあえずギターをパソコンに繋いで色々引いてからオクターヴを低くしたりして少しずつ曲を作り上げた。ツアーから帰ったらもう一回デモしてGerardに送ったね、確かに。彼はあの曲の可能性にワクワクしてた。

〝Weighted〟のPVはブラックな感じですごく楽しそうに撮影しましたが、いかがでしたか?

すごくバタバタしたけど本当楽しかったよ(笑)PVのコンセプトは俺が考えた。Ghost +Cow Films(制作会社)のJohn Carlucci(PVの監督)とは以前働いたことがあって(James Deweesと一緒にReggie and the Full Effectの〝J Train〟PVにフランケンシュタインとして出演)また一緒に仕事ができて嬉しかった。〝J Train〟の現場ではすぐ意気投合したけど、撮影が終わったらあんまり連絡しなかったけど。その1~2年後、新しいプロジェクト始まったよ~と一応連絡したけど、まぁ挨拶程度でね。そしたら〝Weighted〟のPVコンセプトを書いたらホラーだからJohnなら絶対わかってくれる!と思って、「まだ監督やってるかどうか分からないけど、すごくいいアイディアがあるけどどう?」と連絡してみた。後は知り合いの美術家Tate Steinsiekにも声をかけた。彼はね、実は「Face Off」に作品が出たけど、シーンがカットされてね(笑)。みんなを集めて2日でPV2本(〝Weighted〟、〝Joyriding〟)撮影した。予算もあんまりなかったから、思い通りに仕上げるのは難しいだろうと思ったけど、Johnがうまいことやってくれた。たぶん他の監督だったら無理だったんだろうね。すべてがスムーズにいって、撮影がかなり早く終わりました。ほぼギャラなしで物凄く頑張ってくれたスタッフや監督、関係者の皆さんに感謝しています。

友人のEvan Nestor, Rob Hughes, Matt Olsonで結成したツアーバンドでライブをしてますが、frnkiero andthe cellabrationのライブはどんな感じですか?

わからんわ(笑)バンドとしてまだまだなんでびびってると同時にワクワクしてますね。一人で作曲して、一人でレコーディングした曲をみんなとプレーするのも、ライブ演奏するのも始めてなんで、どうならのやら怖くて怖くて。でもその方がいいかもしれない。目の前でバンドとして出来上がっていくこと、乞うご期待(笑)
近い内にヨーロッパツアーもする予定ですか?

やりたいですね。今はUKツアーが決定しているけど、残念ながら今回ヨーロッパは行けなくなってね。将来的にはなんとかして行きたいけどね。

ところでDeath Spellsはどうなってますか?新曲は?

JamesはReggie and the Full Effectで、俺はCellabrationで、お互い違うプロジェクトに集中しているから、残念ながら今はちょっと活動休止中。でも近い将来にアルバムは出したいですね。

2014年の1番好きなアルバムは?
えっ!(笑)いくつかあるけど・・・Against Meの新しいアルバム〝Transgender Dysphoria Blues〟は最高にかっこいい!後Neil Youngの〝A Letter Home〟もすごくよくできてて・・・なんか頭が真っ白になって他は思い出せないわ(笑)でもその2枚は間違いないですね。

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