2014年10月16日木曜日

【gerard】LA Times取材


 英文はコチラ

取材者:Mikael Wood
翻訳者:@postmcrjapan


Gerard Wayはマイケミのフロントマンとして活躍した12年の間に「やりすぎ」「気持ち悪い」という発想は一度もなかった。

例えばマイケミの2005年シングル「Helena」のPVでは会葬者が突然Bubsy Berkely風に踊りだしたり、そして2006年のがん患者をテーマにしたプラチナアルバム「Black Parade」はもはやロックオペラ(しかもLiza Minnelliもフィーチャーされてる)。


「マニフェスト要らずのアルバムを作るのがすごく新鮮だった。”今回のコンセプトは何ですか?”とよく聞かれるけど、僕にも分からない」とWay(37才)が言う。





デビューソロアルバム”Hesitant Alien”(9月30日ワーナーミュージックよりリリース)は肩の荷が下りた自由感が溢れてる。とはいえ、ブリットポップとグラムロックに影響された今回アルバムは極めて真面目。”Millions"が愛と信念の関係をテーマとして取り上げて、そして"Action Cat"は現代社会の”インフォテインメント”(インフォメーション+エンターテインメント)トレンドを批判する歌詞もありますが、前に進もうとしている男の物語が今回のアルバムの中心だ。

道のりは大変だった。精神的にアンバランスになりがちなWayが若い頃から音楽を武器にして自分の病みと戦ってきた。ニュージャージーのちロスアンゼルスを拠点としたマイケミの多くのファンがその戦いに強く共感した。

しかしマイケミのラストアルバム(2010年の"Danger Days")のレコーディングが始まると、ファンの期待に応じるプレッシャーが鬱病やアルコール依存、ネガティヴボディーイメージなど様々な精神的問題を悪化させてしまった。

「あの時の写真を見るとね、アルコール依存が再発して食べ物をほとんど口にしてなかった自分が写ってる。ただただ病んでいた。」

マイケミは"Danger Days"でツアーをしてから新しいアルバムまでレコーディングした。しかしスタジオの仕事や曲作りよりアルバムのビジュアルに集中してしまい(コミックアーティストとしても有名)アルバムはリリースされず、バンドが解散。Wayは深く落ち込んでいたが、またしても音楽に救われた。

妻Lyn-Z(Mindless Self Indulgence)と5才の娘Banditと一緒に暮らすSilver Lakeのイラストとおもちゃだらけのカラフルな自宅でWayが言う「(長年マイケミのエンジニアとして働いてた)Doug McKeanがよく電話をかけてくれた。起きろ、ベッドから出てきて何かしようよ。何のためにとか考えなくていいから何かしようってね。」
ワーナー会長兼プロデューサーRob Cavallo("Black Parade"、"Danger Days")のガレッジでマイケミが建設したスタジオで2人が曲作りを初めて、デモもレコーディングした。曲はマイケミの複雑な作りと意図的に違って、いたってシンプルでファジーに仕上げた。



眩しい色のアームチェアで青色のスーツに身を包んだWay(Iggy Popの"The Idiot"へのオマージュ)がこう語る「マイケミじゃ絶対やらないような音ばかり出した。キックドラマには段ボールをトンカチで叩いたような音が欲しかった」。

「過去のアルバムはちょっと編集されすぎだとGerardが感じた」とMcKeanは言う。「今回のアルバムは余計な編集を一切せず、なるべく音そのままにした。」


ファンも新しいスタイルを歓迎しているみたい。ワーナーのマーケティング担当Xavier Ramosによると、WayのHot Topicサイン会に500人ものファンが集まり、そのほとんどがWayのために描いた絵を持ってきた。

「カジュアルなファンではない、Gerardについていきたいという思いを持ってますね」とRamosが説明する。

どこまで行くのか、Wayでさえまだ分からないという。「"Hesitant Alien"は始まりに過ぎない。ソロアーティストとしてはペースを上げていきたいし、次はポップやファンク、ソウルにも挑戦したい。最近はBobby Womackみたいな曲書いたよ。あれはファズペダルなんかでレコーディングするわけないからね。」

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