2015年2月12日木曜日

【ray】AltPress取材


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AltPress取材


取材者: Jason Pettigrew
翻訳: @postmcrjapan 





〝予想外なことだらけだからワクワクする〟と元マイケミカルロマンスのギタリストRay Toroが自分のデビューソロアルバムについて、そして元バンドメンバーの活動についても言う。〝マイケミのすごかったところはみんなのバックグラウンドや個性がバラバラだったから。当時は「こいつらは一緒どんな音楽が作れるんだろう?」って感じだったけど、今は「個人としてひとりひとりの頭の中はどうなってるの?」って感じだね。色々期待はあるかもしれないけど、僕はその期待を超えたい。〟
Toroのデビューアルバムはかなり野心的なプロジェクトだ。 トップクラスのギターテクニックの持ち主として知られてるToroですが、今回はギターのテクニックよりは作曲に集中して、新しい分野に挑戦してる。今回は作曲作詞、プロデューサー、プログラミング、そしてドラムを含めてトラックに必要な楽器の大半を一人でこなしてるため、111回のギターテークをする暇がない。ドラマーJarrod Alexander(Gerard Way and the Hormonesのドラマーとして活躍中)、Tom Rasulo、セッションギタリストTim Pierce、ベースのChris Chaney、キーボードのJamie Muhoberac、そして妻Christaもボーカル("Look at You Now")としてタイトル未定のアルバムに参加。この記事の時点で、Toroは"Isn't That Something"と"For the Lost and Brave"(1年前に作曲作詞した曲。トランスジェンダー女性Leelah Alcornの悲しい自殺を知り、リリースすることを決意)の2曲をリリース。
どこのレーベルにするか、そしていつリリースになるかという気になる質問にまだ答えが出てないが、ToroがCaliforniaのStudio Cityの自宅から西海岸への引越し、ソロ活動への道、お金より自分の幸せを選ぶこと、そして個人の好みは宇宙人よりなのか、胃痛よりなのかAltPressのJason Pettigrewに語ってくれた。
New Jerseyを去ってCaliforniaにいただなんて全然知らなかったよ。
Ray Toro(以下Ray): 引っ越して3年半になるよ。たぶん最後話した時は東海岸と西海岸に行ったり来たりしてたかな。妻と一緒に都市から都市へ色んなところでアパート借りたりしてみた。ここが気に入ったからちゃんとした一軒家を探し始めて、今はロスの郊外だ。ファミリー向けでありながら街の中心部に近い。
アルバムはいつから本格的に制作に取り組み始めたんですか?

Ray: 作曲作詞とレコーディングは1年半前から。今回は色んな役割果たしてるからちょっと時間がかかってるよね。歌い方、歌詞、そして曲の書き方を全部一人で独学した。まるでパズルでさ、様々な形のピースを見つける必要があった。子供も生まれて、その経験も曲の内容に深みを与えたと思う。 今年中に(アルバムを)リリースしたいね。レコーディングはほぼ完成したけど、後はレーベルと打ち合わせしたり、どう出すか決めたりして、ちゃんとしたリリースプランを考えるのみだ。
まだレーベルと契約してないんですか? 

Ray: 今はちょっとしたフリーエージェントだね。バンドの解散後は個人的にも音楽的にもどうなるか分からなかったからすごく不安だった・・・と同時にメリットもあるって気づいた。例えば一人で主導権を持つこととか。
ご自分のアイデンティティーが長い間一つのプロジェクトに集中していたが、ソロになってどうですか?ちょっと不安?それとも開放的?

Ray: 両方かな。不安なのは全てのパズルピースが揃ってからのスタートだ。アルバムでツアーしたいから人の前で歌うことやフロントマンであることに慣れなきゃいけないんだけど・・・本当は僕、フロントマンなんかになりたくないんだけどみんなが僕の声が聴きたい。ご存知の通り、マイケミにはGerardという素晴らしいボーカルがいたから全てが彼中心だった。ギターに自信があったから安心してギタリストとしての役割を果せることができた。自分の歌に自信を持つこと、そして(フロントマンとして)人の前で演奏することに少しずつ慣れて来てる。またビジネスの面にも不安だね。マイケミメンバーの誰よりもレーベルやマネージメントに連絡やバンドの今後の相談をしてきたのはGerardだったからね。そういうのも僕にとってまったく新しいことだよ。
でも僕はチャレンジが好きだから。新しい事を学んだり、自分をよりよくするために努力したりするとかね。そう考えるとアーティストとして成長することができたからちょっと開放的だね。マイケミの終りぐらいに自分のギターのテクニックがマンネリしてきたと感じ始めた。これが自分のせいだったんだけど… マンネリがあったからこそ、今回のプロジェクトに違う役割を担うことでレコーディングやプロデュース業について色々学べる事が出来た。それが一番開放的だね。
初のソロアルバムはあなたにとって新しいスタートだと思いますね。初めてだからロックオペラとかにしなくていいしね。10年以上に渡りとあるプロジェクトの一員として知られてるかもしれないけど、ファンはあなた自身のことがよく知らないですね。

Ray: その通り。そこが一番エキサイティングだ。みんなには僕のイメージはある、どういう人間だとか、何が出来るとか。だけどアルバムを聴いたら、まったく違う自分が聴こえてくると思うんだ。歌声からミュージカルスタイルまで、自分の声を見つけるには時間がかかった。声とともに成長してきたんだ。今回のアルバムには僕に影響を与えた音楽や自分の好きなサウンド、好みのものなどいっぱいアレンジして詰め込んでるよ。
僕もあなたとギタリストFrank Ieroの役割をイメージで決めつけたんだね。僕にとってFrankが1-2-ファックユーのパンクロック野郎で、あなたが繊細なテクニックの持ち主でシュレッドの神だった。その二つのスタイルの違いがマイケミの共鳴音を作り出すカギだと思った。なのに今のあなたの音楽はシンガーソングライターの部分を中心としてる。てっきり初のポストマイケミアルバムがテクノメタルのフュージョンだと思ったよ。一回ね、あなたの楽屋に行ったら、ノートパソコンでAt The Gatesの着信音を作ってたもんね。 
Ray: 覚えてるよ、それ!(笑)ミュージシャンはみんな違う面、違う色や影があると思うんだよね。マイケミのスタートから途中まで一つの面だけに集中してた。でもそれは珍しいことじゃないよ。たとえばThriceのサウンドはメンバーの色んな演奏の面のおかげでサウンドがすごく変化した。年をとることに連れ、新しい音楽と出会い、色んなものから影響をうけるようになるんだ。マイケミの後半のアルバムやDanger Daysに少し、そしてリリースされてなかった最後のアルバムにはそういう影響がものすごくはっきりしてた。メンバーひとりひとりの中にも、バンド全体としても個人的な成長がずっとありました。
人には僕のイメージがある。そりゃそうだよ。本当をいうと、僕はただギターを弾きたかっただけさ。恋しくなったんだよ。今のアルバムを完成させてツアーしたら、次のアルバムにはギターのみに集中できるようにインストルメンタルにするかもしれない。色んなサウンドで自分が作りたいアルバムの数だけ作れる。ほかの(マイケミの)みんなも同じこと言うだろう。僕らの中にはたくさんの音楽があるから、絶対イメージと違うスタイルも出てくると思うよ。
マイケミに歌詞のアイディアやコンセプトを提供したことはありますか?

Ray: いや、あれは全部Gerardだった。ほかのギタリストはどうなのか分からないけど、そして言うのもなんか変だけど、僕の場合はGerardの歌詞よりは彼が歌うメロディーに惹かれた。バンドが解散してから僕はバンドや歌詞をまったく違う視線から見つめることができた。まるで歌詞を初めて読んだかのようだった。そこから学んだのは歌詞は曖昧でも大丈夫、必ず意味がないといけないというわけじゃないってことだ。最近よく聴いてるTom Pettyのストリーテーラーよりの分かりやすい歌詞も好き。Tom Pettyの曲を聴くと、短編小説を読んでるかのようだ。僕の歌詞はそういうストーリーテーラー部分とちょっと曖昧な部分をミックスしてる感じだ。
Leelah Alcornの悲劇に影響されて〝For The Lost and The Brave〟をシェアした時はすごかったですね。彼女が亡くなる前に収録したらしいが、曲の内容と彼女の苦労が見事に一致しましたね。
 
Ray: ブログに掲載したように、あの曲は1年以上前に書いた。当時アリゾナ州で起きたことや社会の現状に影響されてね。 歌詞的に僕はトランスジェンダー目線から書いてみたからそんな感じになったんだけど、僕は決してトランスジェンダーの苦労を分かることができない。プエルトリコの男で同じように経験したことないのにえらそうに、みたいな感じにしたくなかった。そうなるのが一番怖かったんだ。でもLeelahの話や彼女の最後のプログを読んだら〝出さないことなんてできない。反応なんて心配してる場合じゃない〟と思った。現代社会がエキサイティングなところは音楽やアートがすごく反応的になってる。1年以上前の曲なのに最近起こったことにすごく繋がってる。僕は自分の声を届けることができたら、少しでもトランスジェンダーの皆さんを支えることができたら、一人でも多くの人の心を開くことができたら、僕はやってよかったと思える。
マイケミファンに声かけられるんだろうと思うけど、ファンからは何を言われるんですか?〝今何してるの?〟それとも〝お前、解散の時、心が折れたよ・・・〟

Ray: MTVとかに出た時ほどじゃないけど(笑)解散のことを知らない人もいるけど、大半の人は僕の新しい音楽を楽しみにしてるって言ってくれるよ。でもだいたいは〝あなたがメンバーだったバンドは私の1番好きなバンドだ〟(笑)でももしファンから解散のせいで罵声を浴びたら君に連絡するよ。ラジオのヒット曲から僕らのことを知ってるけど個人的の動きを見てないファンもいるけど、メンバーが個人でやってる音楽も聴きたいハードコアなファンもいる。バンドは解散したけど、その代わりに1枚のアルバムより4枚も違うアルバムが聴けるよ。それが僕にとってすごくエキサイティングなことだ。だってアルバムはみんな全然違うから。
最後に、どれがより好き?Hesitant AlienかStomachaches? 
Ray: 正直に言っていい?僕は両方が好きだ。だって両方はあいつらのビジョンでたぶん長い間やりたかったアルバムだから。Frankのスタイルや弾き方の一面はマイケミのアルバムにも出るけど、今回のソロアルバムは彼が自由にやってる。彼のギタリストとしての成長、そしてソングライターとしての成長も聴けてすごく嬉しいよ。彼が迷いなくアルバムをリリースして、サポートとしてツアーに出て、そして今はヘッドラインツアーを発表して本当すごいよ。彼は自信に溢れててさ、僕もツアーに出る時、彼のように自信満々でいけるといいな。Gerardのアルバムは彼が自分の心を解き放ってるって感じ。マイケミにも出したかったギターサウンドも出てるし。曲は全部エキサイティングでマイケミの曲と全然違う。みんなが期待していたのと違う音楽を出すにはすごく勇気がいる。両アルバムからたくさん学んだ。目指すべき目標をくれたから僕も彼らみたいに頑張るよ。

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