2016年6月28日火曜日

【frank】Alternative Press Death Spells Interview

Frank IeroとJames DeweesがDeath Spellsのデビューアルバムでカタルシスを

取材:Jason Pettigrew
翻訳:@postmcrjapan

英文はこちら


マイケミカルロマンスが3年前に解散することを決めた時、涙を流した者や悲しくも諦めた者もいたが、それよりもDeaths Spellsがいた。Death Spellsはバンドの解散、そしてMCRギタリストFrank IeroとキーボードのJames Deweesが置かれたプラスチックな環境へのエレクトロロック反応だった。しかし数回の取材、ミックステープひとつ、そしてMindless Self Indulgenceのサポートアクトとしてのツアのあと、DSが本気で活動を始まる前に終わっちゃったように思えた。バンドはバンドとして活動することなく、音楽もリリースせず、シンセティックポップやブロステップ、メタルコアで育てられたリスナーに耳障りのようなエレクトロ恐怖を広めることなく終わった。Ieroは作曲してCellabrationとツアーした、そしてDeweesがReggie And The Full Effect, The Get Up Kidsとして活躍しながら、Gerard Way and the Hormonesのツアーメンバーとしても活躍した。Death Spellsは死んだ。Death Spells万歳。

ところで違った。7月29日に2人のデビューアルバムNothing Above, Nothing Below(上に何もない、下に何もない)は現在の音楽シーンに必要なパンチみたいな衝撃だ。IeroとDeweesは去年の12月にアルバム制作に専念することを決め、トラックはIeroの自宅スタジオや旧友とメンターEd AulettaのNorth End Studio(ニュージャージー)で録音。全12曲の中では独特な雰囲気のスポーケンワード(朗読)や間奏曲から銃撃のようなテンポのハードコア(〝Where Are My Fucking Pills?〟そしてデビューシングル〝Why Is Love So Disastrous?〟)と悲しくて美しい曲(〝End of Life〟)まで、全ては古いサイコホラー映画のポスターを集める人には共感できることでしょう。Nothing Aboveはオールドスクールインダストリアルロック(Ministry, Skinny Puppy)のファンの心に再び火をつけ、そして新しいリスナーはDeweesの天才的プログラミングとIeroのイカれたボーカルによって破壊される。

〝ほとんどのボーカルは深夜、暗闇の中で一人でやった〟とIero。〝その雰囲気はアルバムににじみ出とると思う。〟

本日の新曲初公開の前にDSの2人がJason Pettigrewとお話して、4年前の結成からのバンドの目的、暗闇の相対性、そして始めてのツアーに持って行きたかった逆さまの十字架は果たして今回のツアーに実現できるか語ってくれた。

Death Spellsってマイケミの幻の5枚目のアルバムThe Paper Kingdomのセッション中に結成したバンドだったが、その4年後の今、バンドの目的は変わりましたか?


Frank Iero(以下F):俺とJames意外のバンド(マイケミ)のみんながロスに引っ越したんよ。俺らはノースハリウッドにあるちょっと怪しげなアパートに住んでた。ほら、ブレイクしようとしとる20代とかダンサーとか、あとポルノ映画製作しとる人らとか。道渡ったらスタジオがあるのに入れてもらえず、することなく俺らは2人きりで部屋に閉じこもってた。アパートに閉じ込められて頭おかしくなり始めてさ。おいJames、覚えてるか?ほらおまえがホームセンターで植物山ほど買ってバルコニーを囲むようにしたこと。外から中が見えないようにさ。

James Dewees(以下J):覚えてるよ。ホークアイもいたよね。

 F:そうそう!2代目のJason Bourneの人よね!(Jeremy Renner)

J: そう、あいつもホームセンターで植物買っててさ、バカなやしの木を。あいつに負けたくなくて熱帯植物8本も買っちゃった(Frankが笑い出す)当時は1階の部屋に住んでたよ。もうね、ブレイクするためにノースハリウッドに来てる人が多くてさ。アパートは全部すぐ隣同士で建てられて一歩外出たら知らない人のパティオに出てるわけ。そして2000年生まれのガキたちが嫌でさ、あいつらは親から大金もらって全国から来てて〝大学に入る前の1年間の休みだよ、ほら、ダンサーになりたいんだろ?なら1年間遊んでみて〟って感じのガキね。今思えばさ、あの時の会話とか・・・(Frankに向かって)上に住んでたあのロシア人の娘、すごかったよね。どんな薬やってたかわかんないけどさ、ずっと外で何か叫んでたよ。意味分かんないことを叫ぶ、そして人を部屋に招くことがよくやったな。
 

F: (笑らう)でJamesが部屋をジャングルみたいな感じにしたよ。(Jamesに向かって)なんかおまえは頭パンク寸前で急にMinistryをサンプリングしとるLocustみたいな音楽を作り始めたよね。で、それがペルみたいなジャングルと化した部屋から爆音で流しよった。俺らの周りのモノや人全てへの総攻撃だったんじゃ。

J: 上にさ、ハウスしか聞かなかったやつがいたよ。もう〝いい加減にしろよ〟って感じで。Soundgarden交じりのハウスなら別にいいけどさ(笑)

しかし今はもっといいお家に住んでストレス発散の必要がなくなったんですよね。だから今となってはDSってどういう存在になってますか?
 
F:その時期が終わって東海岸に帰った時、バンドや音楽作りはもういいと心の中で決めてた。しかしその数ヶ月後はJimmy (Euringer、Mindless Self Indulgenceのリードボーカル)がJamesに電話して〝ツアーやるんだけど、今何かやってる?それともサポートアクトやりたい人知ってるか?〟って。そこでJamesがDSのトラックを送ったらツアーすることに。ツアー中はめっちゃ実験的なことばかりやってたし、同時に彼はReggieの曲、俺はcellabrationの曲を書いてた。

この4年間に気付いたことは俺にとって音楽は趣味なんかじゃない。どんなことをやっても、音楽は俺なんだ。それを知った俺はいつの間にcellabrationの二枚目のアルバムまで書き始めた。でも前に進むためには全ての原点となったプロジェクト(stomachaches)をリリースしなきゃと思った。自分が誰なのか、そして自分の天職は何なのか、その理解が音楽から溢れ出た。
 
〝Frankの消えた1年間〟として終わるより、Death Spellsは記録すべきFrankのマイケミ終盤の心境なんですね。 

F:そのとおり。去年誰かに何歳なのって聞かれたけど、俺間違って35って言っちゃった。それで誕生日になると丸1年をスキップしたことに気が付いた。今年は35歳になるんよ。そこで思ったのは〝あの1年をスキップしてしまったら、人生に大きな穴がぽっかりと空く〟と。DSも同じさ。DSがあったからこそ、今の自分がおるのに誰もちゃんと聴いたことがない。あのMindlessツアー以降はタイミングがなかった。そのせいでどうやってここまで来たかは誰も知らないわけじゃ。その1年間から逃げたと今やっと気付いた。

新アルバムはかなり攻撃的で、MinistryやSkinny Puppy、Alec Empireなど黄金期のエレクトロバンドのようで、タイトルNothing Above, Nothing Belowは暴力的で暗い印象があります。アルバムの中でもっとも一般向けの曲(Fantastic Bastards)でさえ高校アメフトチームが練習してる間にスタンドの下でハイになりながら自動小銃に弾を装てんしてるやつみたいな感じがします。アルバムが前提的にすごくダークでハードコアなんだけど、もしかしたらダークすぎるのでは?

J: 言っておきたいけど、俺にはまったく逆の印象じゃ。タイトルに込めた意味は〝他に何もないんだったら?今すぐしかないんだったら?〟だ。〝愛〟の名においてみんながお互いをどう接するか、そして自分から違う人とどう接するかとか、この世から去るとどうなるか、信じてることをどれほど大切にしてるかについてもよく考えた。そして俺の見方は上にあるものはクソ食らえ、下にあるものもクソ食らえじゃ。俺らが今、この瞬間にどう人と接してるか話そうや。

さっき言ったFantastic Bastardsの場合、愛を持ってお前を世話すべき人に与えられたアザはお前を定めるものではない。その曲の中で主人公はその虐待者に復讐してしまうことに。リスナーが自分で解釈できるようにすべてをあいまいにしたかった。

個人的に、アルバムを始めて作った時は攻撃でしかなかった。しかし同時に不安でもあった。自分に自信がなかった。でも今は自信があるからこそやっていける、力にもなる。そこからやり甲斐が生まれるし、他のプロジェクトからも新しい強さを引き出せることもできた。
 
Death Spellsって他のプロジェクトにまで渡るエネルギーを作るって感じですか?

F: 全てのプロジェクトがお互いに影響すると思うよ。DSは間にやることでも、サイドプロジェクトでもないと思う。呼吸みたいだよ、やんなきゃいけんこと。11歳の時からバンドやっとるけど、今となってはバンドというもが俺にどういう意味を持つか分かってきたけん、その大切さを新たに感じとる。俺のやること全てにおいては切っても切れない部分じゃけん、ちゃんとしてあげたかった。
 
J: キャリアとして、俺は色んなふざけた音楽を作ってるよ(笑)というはいえ、イライラさせることがまったくないというわけじゃない。Coalesceでドラムを叩くなり、Death Spellsでプログラミングをするなり、MCRやReggieやGet Up Kidsでキーボード叩くなり、音楽に通じてストレス発散ができるっていいことよ。俺は絶対にバッドニュースな人間ではない。超絶グッドニュースな人間だよ。でも大人はみんなバッドニュースを経験し、対応しなきゃならない―愛する人の死や離婚など、人生を人生らしくするようなバッドニュースの全てだ。 発散するにははけ口が必要だと思う、音楽でも執筆でもなんだも。はけ口に全てをぶつけると、試練の終わりにはきっとよりよい人間になってるはず。

ということでDSは個人的なカタルシスのためでもあって、実行可能な美学的発展でもありますね。 

J: リハビリ施設に入った時Last Stop, CrappytownというReggieアルバムを作ったけど、


いいアルバムだよね。

J: でもReggieらしいアルバムじゃないよね。本来ならジャケットにFrankie Goes To Hollywoodみたいなロゴで〝レジー、リハビリに行く〟って貼るべきだったよ(笑)リハビリってめっちゃ個人的でめっちゃプライベートなことだよ。人生をやり直そうとしてるわけだし。でもその最中に人がさ〝ちゃんとやり直せるといいね〟なんか思ってなかったよ。思ったのは〝うわ、リハビリとか重いなぁ。薬中の時は面白かったのに。〟マジでくたばれよこのクズ野郎ども!DSのライブで光るリストバンドを振りかざすネオンボディーペイントまみれのビキニとエスキモブーツを履いた女の子らなんかいないよ、絶対。そういうエレクトロじゃねぇよ。

(俺の人生で)最近はひどいことばかりが起こっててさ。母が亡くなって、そして妻の母親もその次の月の同じ日に亡くなった。その何ヶ月も前から弱まっていく姿をずっと見てたし。だからDeath Spellsのアルバムをかけると、その数ヶ月間の気持ち全てが入ってる。でも不思議なのは曲を書いた時は全然その気持ちじゃなかったよ。本当妙なことなんだよ。

Death Spellsのアルバムリリース後は8月の短いツアーがありますけど、以前ツアーした時はFrankがステージに大きな逆さま十字架を飾りたかったらしいけど、実現出来ず。今回はどうでしょうか?

F:(笑う)いやいやいや、あのね。逆さまなはずじゃなかったよ、ただネオンのはずだけだった。

J: 完全に忘れてたよ。あれはツアー後にFrankが持って帰りたいがためにだけ欲しいんだよ。(Frankに向かって)近所のみんなに見せるために家の前に置くんだろ。

F: いまだに欲しいんじゃわ(笑)


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