2016年11月3日木曜日

【FIATP】 AltPress掲載☆写真つきParachutesの曲説明

AltPress掲載☆写真つきParachutesの曲説明

説明と写真:Frank Iero
翻訳:@frankierojapan
画像提供: @OdetoFrnk 






〝Frankとの対話の代わりに、彼が撮影したポラロイドと手書きタイトルを使ってParachutesからの曲を説明して頂きました。〟

World Destroyer

アルバム制作中に〝もっとも最悪な思い出は何だ?〟ってRossに聞かれた。悲しい経験や傷跡など、そういうことが衝撃的だと考えるのは簡単よね。人生の大半は物事が自分に起こることだと思ってきたけど、アルバムを作ったらさ、もっとも最高なことも、最悪のことも自分のために起こるんだって気づいた。人生って何が起こるか分からん、山あり谷ありよね。いいことも悪いこともなかったら、自分のあるべき人間にはなれない。つまづいたり転んだりするっていうのは起き上がるための教訓じゃ。〝World Destroyer〟って俺らは今まであったことの奴隷じゃないってことに気づく曲だ。俺らには人に与えられるものしか真の持ち物はない。そして自分の過去はこれからも自分の一部として残るけど、過去は自分の未来を定めたりせん。

Veins! Veins!! Veins!!!

これは依存、メンタルヘルス、そして依存者の子孫であることについての曲。例え今は何もやってないにしても、俺は依存者だ。俺はいつだって依存者であり、依存者と精神病を患ってる人の子孫である。ドラッグにせよ、セックスにせよ、アルコールにせよ、ギャンブルにせよ、食べ物にせよ、アドレナリンにせよ、愛にせよ・・・俺らはみんな次のハイを追いかけとる。でもそういった中毒になりやすい性格が、その性質が自分の血管を駆け巡ってること知っとると、果たしてこれ以外の選択肢は本当にあったのだろうか?それとも生まれてからコントロールを失う運命だったのか気になってくるよね。俺は全てのことにおいて極端的にやる。中途半端にはなれない。でも自覚してるからまだマシっていうか。怖いことではあるけど、その自覚のおかげで助かっとると思う。毎日は心の悪魔との戦いだけど、自分のためにベストを尽くすしかない。

I'm A Mess

3年前、俺はHoboken, New JerseyのMaxwell'sで開かれたFadeaway Records主催のチャリティーライブに参加した。ステージに上がって3~4曲ぐらいやった(当時はそんなに曲なかったけんね)。それでライブに来た優しい女性が俺にこのピンをくれた。Sid Viciousがつけてたピンにインスパイアされたと思うけど、俺にはそれより深い意味を持ってた。俺らは欠点や周りに馴染めないこと、自分でいることに違和感を覚えることについて話した。もっと考えてみると、俺らのそういうボロボロなところが俺らの一番いいとこかもって気づいてさ。だいたい〝普通〟って何?普通ってつまらんしフェイクだ。ただのファンタジーだ、、そして俺は決して普通にはなれない。だったらそのふりをする必要がないじゃん。ミステイクが好きだ、俺らをユニークにしてくれるけん。この世は〝他の誰か〟なんてもう充分おる、この世に必要なのはキミだ。それが唯一この世にないことさ。だから俺らの真実を隠すのやめよう、人に言われた理想になるようにお互いを操ろうとするのやめよう。自分の欠点を受け入れろ、その欠点が自分の長所だって気づけ。堂々とボロボロでめちゃくちゃな人間でいろ。

Remedy

本当はラブソングだ。愛を感じさせて、受け入れさせるような人を見つけることについての曲。それが例え自分が作った素敵な壁を壊すことになるとしてもだ。こういった壁には色んな形をしてて、俺らが傷つくことを防ぐためのよろいとしても使う。しかし全ての盾に弱点があって、ちょうどいいところがちょうどいい武器に攻撃されたら完全に崩れる。そして時にはそれが俺らにとって一番ベストなことだ。

Dear Percocet, I Don't Think We Should See Each Other Anymore

この曲が好き。最終的には全然違う感じになった。曲は明晰さと、もしやろうと思えば自分自身を含めて全てを失うことができることについてだ。今に生きて、精一杯に生きることは選択なんだ。俺は過去にその選択に失敗したことがある。パーティーで遊んだり、酔っ払ったりするのよくないとは言わないけど、自分の限界を知る責任があるし、たまに真面目人間になってったっていいよ。俺はただ自分に与えられた時間を大切に使いたい。何かを残したい、子供たちが見て誇りに思えるようなものを。死にかけて病院で一人ぼっち〝あの時あんなことしてたら・・・〟とか、絶対にイヤだ。

Miss Me

Miss Meってひょうっとしたら我がままな曲かも。虚栄心vs愛の闘いについてだ。俺がおらんくなったら愛する人に覚えられたい、時々愛情を込めて俺のことを思い出してほしい。でも同時に苦しんだりして欲しくない。祖父を思い出さない瞬間はない、俺の子供たちの成長が見れたらなぁとか、アドバイスしてくれたらなぁとか。いまだに電話の短縮ダイルに祖父の番号が入っとる。辛くて消せないんだ。祖父ほど素晴らしい人にはなれないけど、俺が祖父に対して想ったことの4分の1ぐらいでも想ってくれる人がおったら、そりゃ大したもんだ。

Oceans

Oceansは自分を愛せないのに、他人から愛を受ける資格があるかどうかについてだ。そして愛でしか満たされない渇きによって死ぬこと。〝水だ、水だ、見渡す限りの水だが、飲めるものは一滴もない〟(凪の古の船乗りの哀歌より)。俺らは愛の海に囲まれとるかもしれないけど、自分を愛せないなら塩水同然だ。塩水は飲む前に溺れるのが先だろ。

9/6/15

この曲は祖父についてだ。2015年9月6日は彼が亡くなった日。あの日は間違いなく俺の人生のもっとも辛い一日だった。祖父は今まで出会った人の中でもっとも素晴らしかったし、寂しくてたらない。この曲はアルバムの基盤だと感じた。救命器具をテーマにしたアルバムに俺のヒーローの曲がないなんて考えられんかった。作曲が今までの曲より遥かに大変だったけど、どうしてもやらんといけんかったんだ。レコーディングの最後の最後までとっといたよ。やり始めると何もできんくなるって分かったけん。17日間に12曲をレコーディングできるように、2回も病院行ってステロイドの注射を打ってもらったけど、この曲がどれほど身体的に、精神的にしんどいか怖かったよ。今も歌詞は泣かずには読めん、曲も泣かずには聴けん。レコーディングできただけでも奇跡だ、もう2度とプレイできるかどうかさえ分からん。でもやってよかった。彼もきっと好きだと思う。祖父と再会する時は歌ってあげようと思っとる。

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