2016年11月28日月曜日

【Frank】Upset Magazine November 2016


Upset Magazine: Have A Little Patience


記事:Ali Shutler
翻訳:@frankierojapan

英文はこちら


〝俺は音楽のジャンルに対して決して一途というわけではない。バラエティーが必要だ。その変化が必要だ〟とFrank Ieroがまず言う。彼が手首にある今までリリースしてきたアルバムを記念に彫ったタトゥーを数えてる。自分が参加したバンドの数がよく分からなくても、その手首にある8本の線がアルバムの数をしっかりと示してる。しかし2本足りない。Death Spellsのデビューアルバムが9枚目でセカンドソロアルバムParachutesが10。彼は一瞬動きを止めてその事実を考えてから満面の笑みを浮かべる。〝信じられんじゃろ?〟と誰かに聞いてるわけでもないのに彼がいう。
子供の頃にFrankの父親が音楽をやめろうと。〝お願いだからやめろ。音楽だけはやめろ〟と必死で訴えたけど時すでに遅し。Frankはもう決心した。父親も祖父もライブをやっていた家庭で育てられたから仕方がなかったかもしれない。〝2人が俺にとって神だったけん、ライブやってるの見てたら俺もやりたくなった。スポーツとか他の事はどうでもよかった。俺はバンドに入りたかった。2人にはでかい手帳があって、ページをめくりながらライブとか、あっちこっちへドライブしたりしてた話をした。秘密結社みたいでくそかっこよかった、ユニークで。誰に聞いてもみんな口を揃えて言う―かっこいいけん音楽やりたいんじゃ。人ってバックステージに行きたい、そこには何もなくてつまらんのに、やっぱり未知の世界じゃけんね。ステージで初めてプレイした時、そしてそれが人にどんな影響を与えるか間近で見たらさ―終わったよ、夢中になった。もう後戻りができんみたいな。〟あれ以来彼は止まることなく前へ前へと。全てのプロジェクトに通じて変化のレガシーを築き上げた。しかしソロプロジェクトの二つ目の生まれ変わりThe Patienceとして、彼はやっと自分の声を見つけた。〝俺にこんなにも重大なアルバムがまさかこのタイミングで出会えると思わなかった。じゃけん自分の全てをぶつけたい、それほど大切で俺の全てに値するんじゃ。〟

Frank Ieroは曲のことを運命の人のように話すミュージシャンだ。アイディアを決して捨てない、そして音楽の自決を尊重する。全ての曲にストーリーあるべき、全てのアルバムに始まり、中間、そして終わりあるべき。自分も周りの人も意識しながら全身全霊でプロジェクトにのめり込む。音楽の救う力だけじゃなくて、写真家が撮影中にマネキンを使いたがってることまで分かるんだ(気にしないで、長い話だ―Edより)。自分でマネキンを取りに行くぐらいだ。ひとつのジャンルへの献身はなくても音楽への愛は絶対だ。

〝俺は長い間、日常生活の俺がおって、そして音楽やアートをやっとる自分は別人だと思い込んでた。その2つの自分が相互に関連し合ってることが分かるまでくそ時間かかった。音楽が俺のDNAに組み込まれすぎてただの趣味とかじゃなくて、自分自身なんだ。つらいけんその真実とずっと戦ってきた。胸が張り裂けそうなほど、えぐられるようなほどつらいと同時に素晴らしいことだ。〟Frankは音楽のために生きてる、そして彼曰くいつかその音楽が自分を死に追いやることになるでしょう。

2年前FrankがThe Cellabrationと共にデビューソロアルバムをリリース。切れ切れに裂いた、プライベートに覗かせるようなこのアルバムは地下室で書いた。リリースするつもりじゃなかったアルバムでFrankがフラストレーションを発散した。その次の年にはFrankがフロントマンとしても新しい役割に慣れつつあって、勢いがどんどんついてきた。しかしプロジェクトの将来について聞かれたら、彼はいつも分からないと返した。まるでプロジェクトが一時的なものだけ、しぶしぶやってるだけみたいだった。2015年のReading FestivalのバックステージでFrankがセカンドアルバムのことを真剣に考えてたにもかかわらず、まだ決定というわけじゃなかった。しかし変わるものですね。Parachutesに永遠を感じる。受け止めるFrank Ieroを見せてくれる。特別感があるのなら、それは特別だからだ。

〝このアルバムは自分の全てを注ぐあまり、作るのに発狂寸前まで追い込まれるアルバムだった〟とFrankが説明。〝終わった瞬間、何をやったか分からんほど消耗し切っててさ。〟Ross Robinsonとの17日間レコーディングセッションが終わったら、〝人生の傑作になるか、彼(Ross)に捨てられるか、そのどっちかになると思った。どっちになるか分からんかったけど、どっち道平気だった―彼のプロセスが俺の人間としての成長に大切だったけん。〟作品から離れてやっとその結果が分かったという。〝正直、ちょっとばかげてると思うかもしれんけど、アルバムは俺の作ったモノの中で最も誇りに思っとるかも。全ての新作に対してはそう思うかもしれんけど、なんか違うよような気がする。すごく特別感がある。マイケミとBlack Paradeを作った時も、すごく特別なアルバムを作ってるって気がした。なんでそう感じたか、なんで特別なのか分からんかったけど、偉大なるものを作ってるって気が。そしてなぜか分からんけど、今もまた同じ気持ちじゃ。〟

Frank Ieroのアルバムに設計図なんかありません。焼き直すような人間ではない。しかし変化に満ちた歴史の持ち主としてもParachutesが〝変化〟を新しく感じさせてくれる。そのスタンスは意図的だという。〝そうでなきゃダメ。Stomachachesみたいなアルバムを再び作るなんて無理じゃ。もうそういう心理常態じゃないし、新アルバムは丸っきり違うし。Stomachachesと違うことと、Stomachachesと強烈にずば抜けて違うことという差が微妙でちょっと不安だった。人に痛烈な一撃をかましたくなかったけど、同時に今回の曲にパワーが必要だった。〟Parachutesにある〝仕上げ済み〟曲のBPMはレコーディングされる前のBPMに比べて少なくても10BPM早くなった。スタジオでそれぐらいの激しさの方がしっくりきたという。〝その場のノリに任せるしかない。逆らえたりしちゃいけん。〟

アルバムのスケールがFoo FightersやBiffy Clyroなど連想させるが、そのスケールが注意をそらすためでも、隠れるためでもない。彼のあの正直さと地下室ハートの底から来る告白が更にパワーアップした。〝全然別人になったって実感するようなプロセスに関わったことが今までなかった。個人的にすごく成長したし、感謝してる。アルバムはそういう体験についてのアルバムなんだ〟と始まるFrank。アルバムで人生を変える(もしくは破壊する)ような会話がリアルタイムで行われていて、世界観も常に疑問視されて考え直された。World Destroyerの絶対的オープニングでさえ変わったという。〝ボーカルの録音の途中で気づいたことが。人とどう接するこそ、人に与えるモノこそ自分の真の持ち物なんだってことさ。自分に起こることは、本当は自分のために起こるんだ。自分はそういう出来事の奴隷じゃない、むしろそういう出来事が自分をよくしてくれる。〟

その体験と共に〝自分の弱みって本当は自分の長所だとか、愛と生産された愛の定義の違いは何だとか、愛と憎しみって本当は同じ感情を逆さまにしただけなのか〟という質問が。こういう質問は今でもアルバムのねじられた心の中にある。対立と混乱はあえてむき出しに。〝旅が大切じゃけん。その旅がなければ結果なんて無意味だ。印象に残らん。ここまで来れたのに理由があるはず、ここまで来るために乗り越えたことにもきっと理由があるはず。結果と同じぐらい大切なのさ。〟

〝要するにさ―Rossのプロセスにも関係あるけど―嘘をつけることができん。彼は包み隠すことなんか許さない人だ。とりあえずことの核心を突く。深く掘り下げたくないなら彼はどうにかして心を開けさせるんだ、しかもみんなの前で。自分がかつてないほど弱くなると同時に強くなる。あんだけ正直に話すって力になってくれる。彼はこれをメンタル手術って呼ぶんだけど、ほんまにそうなんよ。俺らは17日間スタジオにいて、その間に12曲をレコーディングした。毎日が胸をえぐられるようなくそつらい体験で、自分や自分が書いたものについて新しいことたくさん気づいて号泣して、そしてまわりのみんなも今まで知らんかったことを告白したりしよるし。あんなこと体験して正直なアルバムができんかったらおかしい話よ。くそ大変だったよ、でも簡単だったらきっとみんなやっとるじゃろね。〟

〝若い頃はさ〟と言い出すFrankが〝関係あるよ、約束じゃ〟と付け加えてから続く。〝若い頃にさ、バンドに入ってた時はボーカルオウームアップなんかせんかったよ。そんなのばかばかしいって思ってた。でも後からそのオウームアップの大切さに気づいた。上達したいかい?ならやれと。でもなんか恥ずかしくて影で隠れながらやってた。今じゃみんなの前でやっても平気。これは俺の仕事じゃ、俺の芸なんじゃ。おかしいって思うなら消えろ。タクシーの中だってどこだってやるよ。歌詞を正直に書くことも同じじゃ。最初は自分の想いをあんだけ詰め込むなんてばかばかしいって思うけど、だんだん想いを詰め込みたくなる。正直で誠実でいい歌詞になってほしいから。若い時は響きがかっこいいならそれでいい、意味なんで二の次だ。でもだんだん意味を持ててほしいと思うようになる。するとあまり意味を持たせちゃいけんって思うように。人に自分をそこまで晒したくないけん。でもやがては気づく。自分が正直でいられないなら、他の人も正直であることを期待しちゃいけん。ダサくならん程度正直で書くことを頑張るしかない。〟

Frank Ieroはずっと昔から色んなバンドに入ってたが、その肌に刻まれた全てのアルバムには彼がただバンドの一員として参加した。しかしParachutesの場合、彼はセンターでリーダーだ。彼らが作り出す秘密結社へと導くギャングメンタリティーはまだ残ってるけど、リーダーが誰なのかはっきりしてる。〝今回のアルバムはStomachachesに比べて一体感、バンド感が増しとると思う。生き生きしとる。〟ギタリストEvan Nestor、ドラマーMatt Olsson、そしてFrankがこの数年The Cellabrationとしてずっと一緒にいたからこそその一体感が生まれたという。〝練習スタジオで曲を練りに練って過ごした何十時間がアルバムに出てる。曲を一緒にプレイしてること、一緒にやっとることを信じてくれとることが深い絆になった。〟

音楽の奥にある物語を知るとより熱心に。 そこでRossのプロセスが再び役に立てたという。〝彼がああやって俺らの脳を切り開いて、お互いの前で何もかもシェアさせることがすごく重要だった。そうすると、曲の本当の意味と自分にとっての意味を頭に浮かべながらプレイできる。他のバンドや他のプロデューサーの場合、自分の分をやってからボーカルが入って、どういう曲なのか説明をしてから歌うのが普通だった。事前に曲のことについては知らなかった。でも今回のプロセスをやってみて納得したっていうか、なんでこんなやり方でやらんのん?なんで最初からみんながプロセスに参加せんのん?って逆に思った。おかしいけど、やってみるまでは考えてもみなかった。〟

自分が出来ることを知り、そして他のメンバーも精一杯頑張ることを信じることでParachutesをまったく違う領域に押し出すことができた。仕事は〝鬼のようにくそ頑張った。曲の重大さが分かったけん、人に託すことも妥協することもできんかった。曲は完璧でなきゃ。しっくりくる時は分かるんだ。曲は人と同じで、運命の人に出会うとすぐ分かるんだ。逆に何かおかしいなって時もすぐに分かる。四角い杭を丸い穴に無理やりに押し込めないように曲にも無理やりはできん。

〝じゃけん俺はスタジオぢで自分を追い込んだ。〟幸いのこと、彼は一人じゃなかった。〝他のメンバーがいついい加減にしろ!って言ってもおかしくないなって思った。〟でも彼らは言わなかった。毎日曲が変わってもThe Patienceが辛抱した。〝毎日スタジオに来てくれて曲をやり直してくれてほんま助かった。おかげで偉大さを追うことができた。心の底から感謝してる。〟

Paracutesに小さな閃きがちりばめてる。あちらこちらに出てくる言葉やフレーズがリスナーを新しいところへと導く。Dear Percocet, I Don't Think We Should See Each Other Anymoreの"This life is yours, if you want it"(この人生はお前のモノだ、望むのなら)がひとことでアルバムをまとめてくれる。分かる時は分かる。

〝あの曲は物事の明確さを求めること、ドラッグでもなんでも使って自分をセルフメディケートして何も感じなくなるように出来ることを意識することについてだ。勇気と強い心を持ってちゃんと今に生きることを目指して、今を大切にすること、愛するモノの全てにいい意味で跡を残すことだ。ぼーっと座ってあ~できたらいいな~って考えるんじゃくて、本当に足跡を残すことだ。俺らってそういうのよくするじゃん。パソコンの前でセルフメディケートして、「誰かに覚えられたいな」と泣き喚く。「意味のあることをやりたいな」って。〟しかしFrankには願い事をする暇がない。〝大切なひと時のために生きたい、与えられた時間を生かしたい、でなきゃ何やっとん?それがなきゃ自慰でしかないよ。〟

Viva Indifferenceの終わりにある恋人たちのコール&レスポンスは自分を受け入れることを呼びかける。"I love myself and it's all your fault, I love my life and it's all your fault"(自分を愛してるのは全てお前のせいさ、自分の人生が好きなのは全てお前のせいさ)をはっきりと吐き出して、スタジオで行われた会話とその中で気づいた塞ぎ込んだ悟りを思い出させてくれる。〝何もかもがどうでもよかったなら人生ってどんだけ楽になる?という気持ちから始まった。めっちゃ楽になるよね。喪失を感じない、痛みも感じない。しかし曲が進んでいくと、曲の中のカップルは関心がないとその他のいいこともなくなるって気づく。痛みや苦しみは愛や幸せ、喜びと同じぐらいいいことだ。一緒に人生を経験すると、自分がやっと自分の悪いところもいいところも全て受け入れることが出来たと気づく、そしてそのいいとこ悪いとこを教えてくれたのはお前だ、じゃけん全てがお前のせいだ。ありがとうな、全てを台無しにして。今までは何もかも無関心だったのに今や関心を持ちすぎて痛みも全て経験していくんだ。気づかせてくれてありがとう、おかげで歩いてる死人みたいにさまようことなく人生をちゃんと経験できる。〟

Parachutesの暗闇の中から光を見つけ出すというテーマに意味がある。去年の9月に祖父が病死するまでFrankがセカンドアルバムを出す決意はしてなかったという。〝別のことをするって分かったのはその時だった。それがきっかけだった。どん底まで突き落とされたけど、同時に―なんじゃろ?―物事をよりクリアにしてくれた。〟その日付がアルバムのラストとして不滅になった。心が痛む力強くて直接的な頌歌だ。〝あの曲はただ書くしかなかった曲だ。正直いうと、書けないと思った。あの曲は何よりも、俺が今まで経験したことの中で最高の経験に敬意を表してるし、もっとも最悪な経験にも敬意を表してるんだ。〟

Parachutesにある混乱と激怒、恐怖と苦労のあと、9-6-15は平静で溢れてる。アルバムの釣り合いを取るようなラストだ。〝曲の単純さが気に入ってる。俺に必要だったと思う。余計に複雑にしたら全てを混乱させただけだと思う。I Will Let You DownにSeptemberの一部が入ってるけど、それが全てをまとまってくれた。この曲って書かなきゃって思ったし、アルバム的にも重要な曲、ひょっとしたら一番重要な曲だと分かったけど、二度とできないかもしれない。つらいよ。出せないと思ったことはないけど、それよりは本当にできるか?って感じだった。アルバムを終わらすことが出来るかどうかさえ分からなかったよ。どうしてもアルバムに入れたかったけん、祖父のために。ライブで再現できるかどうか分からない。俺らは練習してみたけど、いまだにつらい。最後まで歌いきれない。歌詞カードは泣かずには読めない。つらいことだ。

Parachutesに過去と現在の戦いは続いてるが、その戦いに勝算あり。その勝算はバンドの改名が表現してるという。〝The Cellabrationの時はフロントマンに向いてない自分から注意をそらすような何かを連れて行かんと、と思った。お祝いムードの何かを。今回忍耐という美徳が俺に必要だった。一歩離れて今をエンジョイして、今に生きる必要が。子供たちが生まれて少しずつ個性が出るようになって―今月はみんな獣医師になりたい―子供たちと離れてるのは仕方のないことだって気づいた。でも家にいる時は100%いたい。何が起こってるか100%理解したいし、意識したい。何も逃したくない。頭が別のことでいっぱいとか、仕事のことを考えるとか、大人が悩むようなことに悩むとかは当たり前だけど、今を意識する、今に生きるってかけがえのないことだ。だってあっという間にとか、そういうこと言うじゃろ?あれには理由があっていうもん。本当のことじゃけん。大切な瞬間は儚いよ。気づかずにいると、つかまえたりしないともう二度と戻ってこない。あっという間に何千万の逃した瞬間が消えちゃう。人生ってひと時のコレクションでしかないよ。そのために生きたいんじゃ。月末の支払いのためとかじゃなくてさ。〟

そのつかまえろう姿勢がParachutesの全体に行き渡ってる。消えない光だけどこれほど眩しく輝くことは二度とないかもしれない。〝俺は光対影、生対死、善対悪に夢中なんだ。全てのネガティブにポジティブがあるはず。でなきゃ人生じゃない。俺らはみんなその間で揺れてる。悲しみと暗闇ばかりのアルバムじゃなくて、逆にすごくポジティブなアルバムだと思う。今までやってきたこと以上に希望がネガティブに勝ってる。幸せな曲を書く日が来ると思わなかったけど、自分なりにポジティブに書いたつもりだよ。〟

Frankは未来のことを考えてないというわけではない。レガシーということ、覚えられるということがParachutesの暗闇の中から顔をのぞかせてくれる。Miss Meでは〝傲慢という罪についてだ。子供たちに最善を尽くしたい、幸せでいて欲しい。でもその中にわがままが出る。知りたいんじゃ。変な妄想じゃけど、自分の葬式が見たい。みんなの反応が気になる。子供たちに苦しみを経験して欲しくないけど、深く印象に残るような親になりたい。なれたら最高だ。〟

永遠に〝あのバンドの元ギタリスト〟として知られるについては〝気にしてるかどうかは別にどうでもいいと思う。仕方ないことじゃ。今の俺にはやってることをやり続くしかない。今後どうなるかは分からないよね?今となってはやったことが多すぎて「あ~たくさんのバンドの人ね」みたいな感じになってる。Wikipediaもくそ長くなりすぎだ。〟

Frankは音楽で表現したいことが尽きないだろうという。お願いだからやめてと必死で願ってる人がいることも意識しつつ、彼は屈しない。〝未来は誰だって分からない〟と彼はいう。とりあえずは今日のことを。〝もしかしてこれが俺なりのセラピーで最後に自分はもう大丈夫、やり尽くしたと気づくいて終わるかも。未来は誰だって分からない〟と繰り返す。〝明日は世界が終わるかもしれんけど、とりあえず俺はまだ伝えたいことがある。ソロのいいところは自分はいつだって自分だ。じゃけん何をしたってそれがフォローアップだ。これなら持続できるし、色んな形にもなれる〟と詩や写真について話す前いう。〝バンドという形、アルバムという形じゃなくてもいい。何にでもなれるっていう可能性がすごく刺激的だ。〟

アルバムの救命道具にちなんだタイトルを説明すると:〝生きるということは時にランダムで、時に不思議なことである。人生は醜いと同時に美しい、そして唯一絶対的なのは俺らはいつか地面に衝突することだ。すさまじい速さで急降下してあっという間に終わっちゃう人はいるが、救われて景色をしばらく楽しむことができる人もいる。このアルバムは俺のパラシュートのひとつだ〟そしてもしかしたらほかの人の助けにもなれるかもしれない。〝そういうことだ。最初から音楽が俺にとってそういう存在だった。人の音楽やバンドが俺を救ってくれた。その音楽のために生きてた。そして俺もそういうのやりたいって気づいた。そのために生きてた、音楽作りのために。もし、もしも人の助けになるような曲や元気付けるような曲、本当に大切に思うような曲が書けたらそれ以上は望めない。あのバンドが俺の励みになってくれたように、人の励みになることが素晴らしいよ。〟

Frank Ieroはバラエティー豊かなキャリアの持ち主で、珍しいことにそのバリエーションに無理を感じない。アイディアが尽きるというよりは新しい扉を自ら開く。まだやりたいことが山ほどあるという。〝まだはっきりしてないけど、俺は挑戦が好きじゃけん。伝えたいことがもうない、やり尽くしたとか、インスピレーションを感じないと思うまではやり続けたい。壁にぶち当たることはそんなにないからこそ色んなバンドやジャンルで活躍しとるかも。壁に当たると落ち込みすぎて全然違うことをやりたくなって、それがまた別の扉を開いてくれてまた別のことに挑戦する。それがまた以前閉まってた扉のカギとなったりして。何もしないのがイヤじゃけんあれこれに手をつける。〟

〝俺はたくさんの音楽ジャンルが好き。同じようなアルバムを何度も何度も作ったりはしない、そんなの意味ない。せっかく違うことやるんだったら、抜本的に違うことやりゃいいんだ。全てを体験したい。そういうリスクが好きならきっと俺のやることが好きだと思う。ひとつだけ言いたいのはこのリスクの旅を俺と一緒に付いてきてくれるなら、俺は絶対嘘をつかない。人はそれを評価してくれると思う。俺の作品が好きでも嫌いでも、俺の心の底から来た作品であることは誰も否定できん。俺の心は最低だと思うかもしれんけど、作品は間違いなく俺の心の底からだ。〟

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