取材者:matthew drogemuller
翻訳:@postmcrjapan
frank iero
不完全を祝う
音楽界で大成功を納めているfrank iero。ポストハードコアバンド「leathermouth」の歌詞とボーカルを担当して、そして自身のエレクトロニックハードコアバンド「deathspells」とツアーにも回った。あ、そしてマイケミのリズムギターも担当してたね。現在はインディーズレーベルstaple recordsにサインしてfrnkiero andthe cellabrationとしてソロで活躍し、デビューアルバム「stomachaches(腹痛)」が8月26日にリリース。超絶な人気を誇り、そして胃腸病を抱えながらも、音楽シーンの中では珍しく未だに謙虚で控えめなフランク。このインタビューでソロアルバムのレコーディング過程、家族のテーマソング、そして心をさらけ出した曲への思いを語っていただきました。
matthew(以下M):まず、frankなのか、それともfrnkなのか?
frank(以下F):どっちでも!お好きなように。
M:ソロアルバム、お疲れ様です!すごく楽しくレコーディングできたみたいだね。
F:レコーディングは楽しかった!その時の感情がうまく伝わるように色々工夫したり試行錯誤したりしたね。
M:レコーディングはどれくらいの時間かかりましたか?
F:少しずつやっていた。例えばドラムの場合はカリフォルニアから友達のjarrod alexanderがNJまで来て4〜5日で仕上げた。でもプライベートで忙しくなっちゃって、実際にメインの曲をレコーディングし始めたのその数ヶ月後だった。だからしばらくはドラムトラックのままだったね。「joyriding」なんかだいぶ後になってレコーディングしたから、自分がドラムを叩かなきゃいけないことになって、あの曲だけドラムが下手でごめんなさいね。多分聴いたらその差が分かるよ。まぁ、全体的にレコーディングは1年ぐらいかかったかな?
M: SGとLesPaulの愛用者として知られてるけど、今回のアルバムでは他のギターも引いたりしてましたか?
F:アルバムのメインギターは数年前にepiphone(ギブソン社傘下のギターブランド)とのコラボで製作した「phantomatic」。それ以外にも自分に大切なギターも数本使いましたね。例えば初めてもらったギター(父親が友人からもらってくれた)fernandez stratのコピーや2番目にもらったギター(親戚からもらったguild les paulホロウボディ)もアルバムに出てる。なんか今回のアルバムに使うべきだって気がしたんだ。そして運良く、自分が欲しかったサウンドにぴったり合ってたんだね。
M: レコーディングの限界と低予算レコーディングに興味があったみたいですが、どうですか?
F: 僕はデモ曲が好きで。なんかすごく純粋で正直でね、それが曲本来の姿のような気がする。アルバムの1番好きなところは間違いだ。間違いがあるというのは不完全な人間がレコーディングをした証拠で、そういう人間臭いところが大好き。レコーディングを始めた時に自分に約束したんだ、何よりもこのアルバムは純粋でなきゃって。何回も何回もレコーディングをやり直したり、編集したりして100%完璧なアルバムにしようと思っても、それは絶対やっちゃダメなんだ。この世中の全てが不完全で、僕も不完全である。最終的にはスタジオで収録したギタートラックよりもデモトラックを使ったケースが多かったね。
M: taking back sundayとthe usedどっちが好きですか?(現在一緒にツアー中)
F: ずるい質問だね!この僕のソロプロジェクトを初めてツアーに出してくれて、しかもマイケミも同じく初めてツアーに参加させてくれたから、両方とも最高のバンドだよ!
M: 今回の曲に自分の魂や想いを詰め込んだが、人の前で演奏するのは抵抗や恐怖はなかったんですか?
F: 最初はアルバムを作るつもりじゃなかった。曲を書くことで、胃腸病の痛みが紛れて、気持ちの整理も出来た。そして書き終わったら「あれ?これってアルバムじゃん!出さなきゃ!」って気づいた。書いてる間は何もカットせずに正直に書いたから、なんか自分の日記をみんなに公開しているみたいな気分だ。
M: 公開してない曲ってありますか?
F: あるよー。自分だけのためにとっておいた曲はいくつかあるね。子供や妻のために書いた曲とか。家族全員に自分のテーマソングがあったらいいなって思ってね、家にsonosという無線スピーカーを客部屋に設置して、娘が部屋に入ると僕が書いた彼女のテーマソングを流したりする。結構気に入ってるみたいだよ?「アナ雪」のテーマソングにはまだかなわないけど。
M: アルバムで特に好きな曲はshe's the prettiest girl at the party and she can prove it with a solid right hook(彼女はパーティーで1番綺麗で右フックが凶暴だよ)ですね。
F: それ、実話だよ!妻とまだ付き合ってた頃にパーティーに行ったけど、妻があんまり好きじゃなかった女の子が酔っ払って、パーティーにいるみんなに顔面殴って!って言い始めた。そしたらみんながやだよと断ったけど、妻が思いっきり右フックで殴ったんだよ。あの時はこの子が僕の妻になるんだなって確信したよ。
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