2014年9月24日水曜日

【gerard】【インタビュー】アマゾンミュージックのロングインタビュー


元のインタビューはコチラ。



アマゾンミュージックのロングインタビュー

取材者:Emily Zemler
翻訳:@postmcrjapan

2013年のマイケミ解散後、フロントマンGerard Wayは曲を書き始めた。ソロアルバムを出すつもりじゃなかった。しかし曲に勢いがついて、ソロアルバム「Hesitant Alien」が9月30日にリリース。Maroon 5やGreen Dayを手がけたDoug McKeanにプロデュースされた今回のアルバムはノイズロックとブリティッシュポップにインスパイヤされたファズロック。GerardにHAへの道のり、MCRなき曲作り、そしてこれからの目的を語って頂きました!

ソロアルバムを作ろうと思ったのはいつからですか?
気づいてなかったんだ、これがアルバムになるんだなんて。純粋に音楽を作るために曲を書いたし、アルバムにも目的はなかったけど、それがよかった。最初に曲を作り始めた時もそうだった。アルバムとか考えずに、人の前で歌える曲を作りたい、ただそれだけ考えてた。そして気づいたら「音的統一性」*あるアルバムが出来上がった。(*元のインタビューに「sonically cohesive」っていうんだけど、こりゃなかなかきれいな日本語にならん。すまん。)

統一性というと?
アルバム全体に出てるファズの音が統一感を持たせてますね。3~4のペダルを使って色々と実験してみた。今回のアルバムはファズ多め、そしてボーカルエフェクト多めで、全曲にたくさんのノイズが流れてます。「頭ん中の音はコレ(ファズ)だ、こんな音作ろう」そういう気持ちだったけど、まさかファズロックばかりのアルバムを作ることになるとは思わなかったですね。今の音楽シーンを見て思ったのはノイズロックやノイズポップが出てないこと、そしてノイズが必要だということ。そう確信した僕は「自分が聴きたい曲を作りたい」って思いました。何かを作成するにあたってこれ以上の良い条件はないですね。

レコーディングはいつされたんですか?
色んなスタジオを使って1年半かけてレコーディングしました。最初はすごくカジュアルだった。僕が当時精神的に苦しんでたことはプロデューサは知っていた。そんな僕におい、起きろと電話をかけてスタジオに来させて頭ん中の音を一緒に出した。プロデューサは時間がある時に電話をかけて、そして僕は音楽を作った。アルバムを作ろうかとなって、本気になってテキサスで1ヶ月間レコーディングしました。すごくひっそりと作りましたね。アルバムのことは誰も知らなかった。

アルバム作成に苦労されたところはありますか?
毎回苦労するけど、むしろ苦労すべきです。でも今回は家族との時間を犠牲にしたくなったから、特に大変でした。マイケミの時はツアーのやりすぎとか、音楽のやりすぎのせいでずっと家族がバラバラで、いつも新しいアルバムを作らなきゃ作らなきゃとプレッシャーから逃げられなかった。なんで今回はどうやって時間を有効に使えばいいのか、一から考え直す必要がありました。、娘が起床する朝7時に合わせて起きて、学校に送ってから朝9時から仕事に取り組むことが一番大変でしたね。曲とかが降りてくるの待つばかりじゃダメ、そんな時間がないんだと気づきました。



 このサウンドは間違っていない!このまま行こう!と感じさせてくれた曲はありましたか?
間違いなく「No Shows」でしたね。「No Shows」までの曲はみんなオルタナティヴやシューゲイズとブリティッシュポップのミックスで、バラバラというわけじゃなかったけど、一曲一曲の統一性がなく、ただのノイズとか、ただのポップだった。しかし「No Shows」の場合はイギー・ポップやデヴィッド・ボウイのベルリン時代を思い出して、ニューウェーヴやノーウェーヴ、アートロックなど色々取り入れてみて、今までなかったナイトクラブ感が実現出来ました。

随分と色々にインスパイアされましたね。
でしょう! ブライアン・エノの初ソロアルバムを聴いて、最初はその音を追いかけた。でも「No Shows」が出来た時は初めて自分の目的ができました。



 歌詞にも統一感はありますか?
歌詞はすごく曖昧だが、その曖昧さがアルバムのメッセージ(周りの人と馴染まなくても、同じじゃなくても大丈夫)をより強調させてくれるからいいんだ。周りの人と違うのも悪くない。この世には変わり者が必要なんだ。僕にとって「No Shows」は人間関係がテーマで、ライブやクラブに行かなくても人と繋がることが出来る、それが「No Shows」のメッセージ。
 

アルバムを作成する前に今の音楽シーンがどうなっているか調べたとおっしゃいましたが、完成されたアルバムはそのシーンにどう当てはまりますか?
当てはまれないからこそシーンに適合してますね。今回のアルバムのサウンドにびっくりする人は多いかもしれませんが、普通に楽しんで聴けちゃいますよね。マイケミも時もそうだったけど、ラジオをつけるとだいたいこういうサウンドが流れてくるだろうという慣れがありますよね?バンドが違っててもギターはボーカルより音が小さかったりとか。やってるうちに、曲をラジオに流してもらえるようにどうすればいいのかが分かってくるけど、その分曲自体が複雑になってきます。ラジオのヘビーリスナーは多分HAのサウンドの組み立て方にびっくりするでしょうね。ボーカルはギターのように使う上に、ギターのようにレコーディングしたから、もう音がドーンとぶつかってきます。

長年マイケミの一員として音楽を作ってきましたが、ソロとしてのアルバム作りはいかがでしたか?
(目標が)より明確、より純粋でしたね。相談できる人、頼れる人がいないのは大変だったけど、その分閃いた時の喜びが10倍ですね。ありがたいことにプロデューサさんがよく相手してくれて、すごく助かりました。もう諦めようと思った時は必ず背中を押してくれたし、(曲が)いける時も、そうでない時も正直に言ってくれました。
これからの目的は?
来年のフェスシーズンまでツアーします。嬉しいことに、今回はタイムリミットがあります。有名なバンドだと売れなくなるまでずっとツアーするけど、今回はゴールまでツアーするだけですね。終わったら1~2ヶ月休んでからまたスタジオへ。最近はよく書くし、もっともっと音楽を出していきたい。ずっと前からできるだけたくさんの音楽を出したかったですね。でもアルバムをリリースしてくれる側に向かって「これはいける、こんなの出したい」と主張しないとダメだからすごく勇気も努力も必要です。大半の曲は厳しい審査を受けてから初めてスタジオから出ることができる、そういう業界ですよ。多くのミュージシャンは伝えたい想いがあるからアルバム作るけど、リリースされたらもうこれで終わりだ。だからジャック・ホワイトみたいなミュージシャンは本当すごいんです。大事なのは企業環境の中でも絶えず音楽を出すことだ。

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