2016年9月7日水曜日

【DS】Upset Magazine: Death Spells on Death Spells

Death SpellsがDeath Spellsを語る:一体どうなってんの?



取材者:Ali Shutler (Upset Magazine)
翻訳:@frankierojapan

Death SpellsのUKツアー第2夜が始まる1分前。James Deweesがステージに立ち、そして壁に映されてるビデオプロジェクションを見ながら〝一体どうなってんの?〟という。その質問はこれからの1時間の間に何回も聞けるだろう。奇妙で悪夢のような映像が壁に映し出されながらFrank Ieroがマイクに叫ぶ、怒鳴る、そしてとにかく大声を出す。大惨事の匂いがするのにその反対だ。2人が身も心も、全てをこのプロジェクトに捧げることがこのプロジェクトを壮大にする。
〝アルバムをやっと出せたけん現実感があるよね〟とFrankが始まる。〝じゃなきゃ全てが俺らの変な夢だったかもしれん。樹木が倒れたかって?分からんけどなんか聞こえたぞ。〟
〝昨日、2曲目が始まった時に観客が大盛り上がりしたけど、その時にこれはいいぞって実感した。楽しくなるぞ〟とJamesが付け加える。〝パーフェクト・ストームだ。人がアルバムを聴いて、どういうことだかちゃんと理解して来たライブは今回が初めて。前回は人がよく分からないまま来て攻撃された気分で帰った。攻撃に変わりはないけど、今回はいい意味で。俺らはただ解き放つだけさ。仕事感ゼロだ。〟
FrankがReggie And The Full EffectとThe Get Up Kids(Jamesのソロとフルバンドプロジェクト)のライブに行ったことが2003年の出会いのきっかけだった。〝MCRが当時Kansas Cityでライブやってた。倉庫での年齢無制限のライブだったけど、Reggieが一緒にツアーすることになったから行ってみた。〟とJamesが説明。〝バンドの第一印象がね「ここくそ暑いのにボーカルが革ジャンかよ!何それ?」ステージからMCRが俺にシャウトアウトしてくれた。「次の曲はJamesのためだ、彼は柵の後ろでビール飲んでるぜ。」って。その後は一緒に遊んだりツアーしたりして、すぐに意気投合した。〟
今となって2人はお互いの必要栄養量まで分かるし、ユーモアも笑いのツボも同じ。あと海辺のお散歩も好き。〝長年あのバンドで一緒にツアーしたおかげだよ〟とJamesがマイケミを指して言う。〝でも元々は仲がいいからね。何年もツアーすると兄弟になるよ。お互いを守るし、100%信頼する。〟Frankが時々リハーサルだけのためにNew JerseyからLong Islandまでドライブすることもあるという。
2012年にマイケミが5枚目のアルバムを制作していたスタジオの近くで一緒に住んでた2人が音楽作りの欲望を満たすためにDeath Spellsを結成。
〝仲がいい理由のひとつは俺らは物事をクリエイトすることが好きなんだ。あのNorth Hollywoodのアパートにでもただじっとすることができなかったよ。仕事してないと、何かしてないとダメだった〟とJamesが説明。忍者映画の全てを観たり、マルシェに行ったり、ベーキングもした。〝ダンプ・ケーキだったっけ?あれ覚えてる?〟
〝最悪なネーミングじゃったけど、ほんま美味かったよね。〟
〝俺はエスプレッソマシーンを買ってきて、完璧なマキアートの作り方を研究した。その後はスタジオにまで持って行ったよ。常に何か作ってないと気がすまないさ。ちょっと変かもしれないけど、頭の中で聞こえることがコントロールできないんだ。インスパイアしてくれることもコントロールできない。突然メロディーが降りてくるとか、突然音楽が書きたくなるとかさ。妻がそういうのうんざりしてるけどね〟と笑いながらJamesが言う。
〝Death Spellsがあんな感じだった。俺らが今までやったことと全く違ってさ。だからやり続けるよ。曲を完成させると「よし、次はどんなとんでもないことができるんだろ?」前に進もう、どんなモノになるのかまだ分からないけど、とりあえずとんでもなくクレイジーなままでやろう、どこまで行けるか試してみよう。〟
ヘンテコスタジオプロジェクトから始まったDeath SpellsがMindless Self Indulgenceのおかげで初ライブをすることに。MSIのフロントマンがJamesの新しいエレクトロプロジェクトのことを聞いてツアーに誘った。そしてライブでどう演奏すればいいかよく考えずにDeath Spellsが二つ返事で誘いを受けた。〝どうすればいいか分からんかったよ。ビデオが流れよるし、俺らがステージで暴れまくっとるし。観客のみんなが「どういうことじゃ?あいつは何叫んどんねん?この映像、何?なんで男がフックで吊るされとる?MSIいつ出るん?」〟
〝その瞬間にDSは絶対やらないきゃ!って実感した。〟
2013年に2人がNothing Above, Nothing Belowをほとんど完成させたが、お互いのソロアルバムのこともあってちゃんと仕上げることが出来なかった。しかし2人はちゃんと連絡を取り合って、月に一回はDSがまだ終わってないことについて話してた。そして突然お互いのスケジュールが空いてアルバムを終わらせるタイミングが来た。当時使用したOSが古すぎてファイルの半分が開けなくなったけど、あれこれ再レコーディングしてもアルバムのサイコ感が健在。
〝似てるアルバムがいまだにない。3年前に出したら、きっと人はどうなってるかまったく理解できなかったと思う。そしてなぜか知らないけど、3年後は理解されてるよね〟とJamesが始まる。次はFrankが〝俺もそう思う。不思議なんよね。全てには理由があった。DSの曲を始めてアップした時、ヘイトメール来たけんね。人がかんかんじゃったわ。でも今は「2016年のベストアルバムだ!」とか言うよ。えっほんま?お前からのヘイトメールまだ持っとるけど?みたいな。正直いうと、俺の物語の中でこの一章をまだちゃんと語ってなかったような気がしたよ。DSを完成させずに新しいアルバムをやろうとしたらどうしてもうまくいかんくてさ。なんかいけんような気がして、次のステージへの扉が開かなかった。Jamesと俺に時間が出来てそしてリリース日が決まったその瞬間に全ての扉が開いてくれたような感じじゃった〟とFrank。〝俺はずっとこういうモノは自分のために作ると思った。作ったら永遠にほったらかしにしてもええんじゃと思ったよ。でもそれが間違えじゃったと気づいたんよ。俺らがやることの最終段階は人にリリースすること、リアクションをもらうことじゃ。そのリアクションが見れるかどうか別として、人に影響を与えなきゃいけん。30秒のソングクリップだけでも、自分に意味があるプロジェクトなら人にシェアすべきじゃ。〟
FrankとJamesが一緒にこの20年の間に最も影響力のあるアルバムの数々に参加してきた。
〝レガシーについてはのぅ、リスクを負わないと、使命感を感じることをやらんとレガシーなんぞない〟と始まるFrank。〝人が尊敬するプロジェクトにいくつか参加してきたことが、ほんまにやりたいことを自由にやれる環境を与えてくれた。やめた方がいいよとか言われたことがない。全てが俺らの責任でしかない。〟
作り上げるのに4年間もかかったものの、Death Spellsの未来がまだ分からない。2人とも今後の数ヶ月は予定がいっぱいだが、来年の1月にまたDSのことを考えたいとい言う。でもDSのライブセットアップはシンプルゆえに〝今後はお互いDSのネタを持って、もし同じ日に同じ場所で休みがあったらDSのライブをやるとか。そうなるかどうか分からんけど、なれるかもしれん。〟
しかしとえりあえず、Jamesがとあるニューメタルバンドからのライブキーボードのお誘いをお断りして(ここで2人がPuddle of Muddの話をする)ReggieとThe Get Up Kidsの新アルバムに向けて音楽作りを始める。Frankには次のソロアルバムを。
〝ヤバいよ〟とJamesが言う。〝最初はFrankだと思わなかった。エネルギーが半端ないよ、キッズが顔面直撃のパンチを食らう気分になるよ。絶対。〟
そしてあいかわらずDeath Spellsがどうなってんの分からないけど、カオスを掴むチャンスがあれば、2人は両手でしっかり取るよ。

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