Indientry Interview
取材:Indientry和訳:@frankierojapan
私はずっと前からFrank Ieroのファンだ。月曜日のFrank Iero and the Patienceライブに運よく行けて、アメイジングと言っちゃもの足りないぐらいアツいライブだった。そしてライブ後はFrankを取材する機械があった。取材はもちろん事前に申し込んだが、何かの間違えがあってライブ前に取材が出来なくて。ありがたいことに彼のツアーマネージャーがライブ後に時間を作ってくれて無事取材することができました。その夜出会ったFrankをはじめ、バンドメンバー、スタッフの方々みんなすごく親切に接してくれて誠実な性格だった。それでは、インタビューをどうぞ。
Indientry(以下I):こんにちは、会えて嬉しいです。ライブ後なのに会って頂き、本当にありがとうございます。
Frank Iero(以下F):こちらこそ、インタビューしてくれてありがとう。
I:色々ご迷惑かけてすみませんでした。では始めますね。ハードスケジュールでちょっと体調崩してるとお聞きしたんですが?
F:そう。先週木曜日はパリに飛んで、PRツアーやった。パリ、ロンドン、アムステルダム、ベルリン、そしてまだロンドンに行ってアコースティックライブやったり、たくさんのインタビューやったりしたけん12時間ぶっ通してトークしよる。ダブルヘッダー(1日にライブ2公演)やアコースティックライブもあって、帰国してつかの間の休息をとってからまた今回のツアーが始まった。Death SpellsとThe Patienceのダブルヘッダーから次の日もDeath Spellsのライブ、そして昨日もダブルヘッダーからのPatienceのみからのダブルヘッダーでもうヘトヘトさ。
I:すごいたくさんですね。それでも今日も全力でライブできるなんて関心しますよ。
F:全力かどうか分からんけど、ベストを尽くした。
I:そんな、よかったですよ。最高のライブだった。ご家族は?元気にしてますか?話はよく聞きますけど。
F:元気よ。家族は最高さ。こうしてツアーとかできるのは家族のおかげじゃ。ほんまに最高。娘たちは今年から小学校1年生、息子は幼稚園児になった。そして嫁さんはなんっていうん?史上最強のスーパーママなんじゃ。俺がどんなにハードスケジュールでも嫁さんは学校行ったり、ママで育児頑張っとる上に俺のことも考えてくれてさ。俺なら絶対無理よ、頭が上がらんわ。俺はただ歌えばええけんね。
I:すごいですね!お誕生日はハロウィンですよね。ハロウィン大好きです!ハロウィンの話しましょう!
F:俺もハロウィンが好き。もし誕生日が選べたとしても絶対ハロウィンを選んどったんじゃろな。ずっと前から一番好きな祝日じゃ。でも誕生日じゃけんじゃないよ?ハロウィンの自由が好きよね。子供の頃はさ、数時間だけだけど、外でちょっと大人っぽいことが出来る。友達と一緒に人のドアを叩いたりイタズラしたりしてさ。なりたい人になれて。それが魅力的だった。あと小さい頃からハロウィンのイメージにも惹かれて、天気も最高だし。ジャージーの秋って唯一過ごしやすい時期で昔は10月いっぱいだったけど、最近じゃ冬は10月から始まっちゃうって感じでのぅ。一番好きな季節なんじゃ。そしてタイミングよく新アルバムがその頃にも出ることになっとる。
I:そう!今聞こうと思いました!
F:友達に相談したら彼が〝おいアルバムが誕生日に出たら最高だと思わん?〟で、俺が〝おう!そうかもね!〟
I:ちょうど私の誕生日の次に日に出るから私にぴったりです!
F:そうかい?すごい偶然じゃ!じゃキミもさそり座なんだな?
I:はい!
F:いいね!俺らって結構面倒じゃろ?(笑)気づいてないのにのぅ。
I:アルバムについて聞こうと思ったが、サウンドはStomachachesを含めて以前のソロプロジェクトに比べてどうですか?
F:Stomachachesの始まりは理由を分からずに曲を書きよった。頭が曲でいっぱいでどう出せばいいか分からんくてさ。たぶん当時で次どうすんの?って聞かれたら俺はきっと〝いや、音楽はもういいわ。俺は色々やってみたいし、本も書きたい〟って答えたんじゃろね。あとなんかちょっと変じゃけど、郵便配達の人にもなりたくて(笑)めっちゃ楽しいと思うよ。おかしいじゃろ?でも当時の目的のひとつだったんよ。
〝とりあえず暇な時にはこれやろう、ほかの趣味やろう〟って思ったわけ。そうしたら色々あってDeath Spellsの音楽をちょっとやり始めて、Jamesがツアーに出て、そしてブッキングエージェントで友人のMatt Galleが最近何しとん?って聞いてきて、地下室で録音しとった曲を聴かせたら〝これはやった方がいいぞ〟って言ってくれた。それで他の人にも聴かせてみた。とにかく曲を書いた時はある瞬間を盗み聴きしよるような感覚にしたかった。俺にはタイムカプセルのようだった。
その時は人生がちょっと邪魔しててさ、でもレーベルに入ることになって、ツアーもして今となってはそういう環境で安心できるようになったし、また音楽をやることに対して覚悟しよる。今回は人が絶対聴くアルバムを書くことが分かっとるしさ。曲がどういう曲になりたいか、どんなサウンドがしたいか、曲の声に従うことが大切だと思う。じゃけんStomachachesの場合、曲はみんななんとなく作り上げたアートプロジェクトになりたいっていう声が。そして今回の曲はもっとちゃんとしてくれって求めてきた。ならば自分を追い込まんといけんと思った、ぎりぎりのところまで。
その時に決めた。死ぬ前に絶対やりたいことだったけど、Ross Robinsonに電話してみた。彼に電話だなんてずっと怖かったよ。そして運よく彼は話を快諾してくれた。じゃけんこそ今回のアルバムはStomachachesと違うんだ。あとそれも改名の理由なんじゃ。自分と音楽に対しての考え方、プロジェクトへのアプローチを新たにするのなら、以前のバンドとまったく違うから改名を。アルバムごとにやるべきだと思うし、たぶんアルバムごとに改名するじゃろ。
I:ということはもっとアルバムを出す予定ですか?
F:そうは言っとらんけど(笑)どうなることやら。
I:それじゃリリースを別として、少なくとももっと音楽を作るつもりですか?
F:とりあえず俺は長い間、音楽やアート作りは趣味同然で自分の人生と無関係だと思った。しかし徐々に気づいてきてるのは音楽やアート、写真、俺のやること全ては趣味なんかじゃない。俺自身なんじゃ。じゃけん辞めることができんのんよ。呪いみたいじゃ。大好きと同時に大嫌い。喜びをたくさん運んでくれるけど、苦しさも運んでくる。じゃけん多分一生やり続ける。人に聴かせるかどうか分からんけど、一生やるよ。
I:よかった!Death SpellsとThe Patienceってお互いに影響し合ったりしますか?それとも完全に別ですか?
F:やること全て、作ること全て、体験すること全て、どんなに小さくてどうでもいいことでも毎日自分に起きることが自分を構成していくと思う。それが人生の美しさだと思う。俺らはモーメント(瞬間)の集まりなんじゃ。実体験や人から盗んだクセ、その全ての融合なんじゃ我々は。じゃけんDeath Spellsをやった時、誰もアルバムを聴いたことなかったけん、まるで高層ビルを建設しよるのに真ん中の部分だけないみたいな感覚だった。PatienceのアルバムにDeath Spellsをやってなかったらできんかったものがある。長い道のりだったよ。でもあの真ん中の部分がないとどうやってここまで来たわけ?って感じなんよ。同時リリースのつもりはなかったけど、なんとなくそうなったね。
I:なるほどね。フランクの音楽や前向きな性格に影響されたファンがたくさんいると思います。ファンにそう言ってもらえるとどんな気持ちになりますか?責任を感じますか?
F:俺は長い間、アートってアイディアから始まって、そして出来たと思う時まで集中的にやることだと思った。完成したら終わり、みたいな。でもそれは終わりじゃないと最近気づいた。どんなアートでも、コントロールを譲り、人に影響を与えることこそが終わりなんじゃ。人にどんな影響を与えるかコントロールできんけど、何かしらの反応があることを願って。無関心だけはイヤだな。人に何か感じさせたい、愛でも憎しみでも何でものぅ。
時にアートの全てがその反応を起こすことじゃ。それだけ。俺はほんまラッキーなんじゃ。自分が作ったものが人にポジティブな影響あってさ。これ以上の喜びはないわ。でも人はどう感じるべき、何をとるべき命令するのがイヤだし、自分を助けるためにものを作る以外にどうにもできないけど、人の助けになるなら嬉しい。俺の仕事でも立場でもないけど、人ってたまに言いたいこと言う必要がある、相談相手が必要になる。もし俺がそんな役割を果たせるならいい。圧倒されることもたまにあるけどね。俺はそういう人間なんじゃ、共感しすぎるのが俺の悪いクセだし、心の中にいろいろ閉じ込めてしまいがちだし。じゃけんつらい時もあるけど、それを必要としとる人がおることは理解できるけん、できることならやってあげたい。そしてできん時も我慢してあげたい。
I:本当に親切ですね。タトゥーについて教えてください。いっぱいあるけど、どれが一番のお気に入り?
F:タトゥーは母斑(笑)。お気に入りの中には出来が悪いタトゥーが一番かも。俺は壊れとるものが好きでさ、完璧に不完全なタトゥーが大好きだ。あと亡き祖父と祖母のタトゥーには大切な意味があるね。ほら、前に言った全ての体験は大事ってこと?最近気づいたけど、35年かけてやっと気づいたことなんだけど、物事はキミに起きるんじゃなくて、キミのために起きるんだ。タトゥーも同じことさ。タトゥーひとつひとつがスクラップブックだ。思い出だ、よくても悪くても。自分に影響があった時間や場所だ。じゃけん俺の全てのタトゥーが愛しくてさ。くそひどいやつでも。
I:新アルバムParachutesの名前についてだが、HPにもあげたけど、パラシュートは救命道具、そして音楽はフランクにとってのパラシュートのひとつだ。パラシュートについてもっと詳しく教えてください。
F:年を取れば取るほど人生について考えちゃう。人はよく言うお決まり文句、ほら何回も何回も聞かされたやつとかさ、訳あって決まり文句なんじゃ。訳あって繰り返し聞かされるんだ。本当のことなんじゃけん。聞きたくないじゃろけど、本当に本当なんじゃ。後で気づくんよ〝あ~ほんまやったんや~〟って(笑)。それで人生って飛行機から押し出されるみたいだと考え始めた。キミも俺も、誰もがこの世に生まれることを望んでなかったのに生まれた。そして俺らは止めることができない、やがて来る終わりに向かって猛スピードで宇宙から落下しとる。そのやがて来る衝突が唯一の絶対的ことなんじゃ。あっという間に終わっちゃうとんでもない速さで落下しとる。俺は長いことその最期を重視してきた。でもこの落下からただ最期を迎えるだけ望んでないことに気づき始めた。自分のペースで生きて、周りのものをよく見て、今を大切にすることが好き。こういうことができるのは俺に愛や喜びを感じさせてくれるもののおかげだと気づいた。それでもし俺らはみんなやがてやってくる最期、地面に向かって落下しとるのなら、そういうものはパラシュートなんだ。いつかは着地するよ、ジェットパックなんて持ってないけん。でも俺らの愛するもの、生き甲斐を与えてくれるもの、途中の愛しい瞬間が俺らのパラシュートだ。たくさんのパラシュートがあって感謝しとる。アートと家族が俺の最も大きなパラシュートだ。
I:時間が来たみたいなんだけど、最後に写真1枚、いいですか?
F:いいよ。ありがとうね。
I:こちらこそ、ありがとうございます!残りのツアー頑張ってください!そして体をお大事にね!
Frankと彼のツアースタッフに感謝しきれない。ライブが最高で、終わってからバンドメンバーのみんなが取材終わるまで一緒にいてくれました。Frank Iero and the Patienceの新アルバムParachutesは10月28日リリース!楽しみにしてます!
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