2016年10月27日木曜日

【Frank】The Music Interview

The Music Interview: Frank Iero



取材:Uppy Chatterjee

翻訳:@frankierojapan


英文はこちら

Frank Iero and the Patienceがシドニーで重大自動車事故に遭う数時間前にUppy Chatterjeeが陽気なFrank Ieroと〝メンタル手術〟、そして必然的な死とパラシュートについて対談。

(写真:Kane Hibbard、落書き:Frank Iero)




〝それじゃ・・・死って必然的じゃろ?免れることない。やがてやってくる地面衝突は延長なんてできん。でももし人生が飛行機から突き落とされるようなものなら―だってここにおること頼んだ覚えがないのにみんなやがて訪れる死への道を歩んでるけんさ・・・凄まじいスピードで落下しとるわけで、早く終わる人とそうじゃない人もおる。でも運がよければ、その途中で喜びを感じさせる人や、愛がどういうものか教えてくれる人や生き甲斐を感じさせるパラシュート的存在と出会う。俺らはみんな地面に衝突するけど、空中で舞ったり、落下を楽しむことができる。それがParachutesのことだ。〟

シドニーのホテルで対談した2時間後、Frank Iero and the Patienceが衝撃のバス事故に遭ったと思うと、ハッとさせるような答えだ。Ieroとバンドメンバー、クルーは現在安定した常態だというが、バンドのマネージメントとレーベルは状況について詳しく話しておらず、金曜日にIeroがHPに掲載した心からのメッセージまでに公式発表さえなかった。

バンドはIeroの最新ソロプロジェクト、以前Frnkiero andthe Cellabration、をシドニーでプロモーション中。Ieroが改名の理由について元気に語る。

〝あのね、Cellabrationのスペルってさ、間違ってなかったんよ。正しかったけんね!〟とくすくす笑いながら彼は言う。Ieroはよくクックッと笑う人間だ。お茶を片手に、彼が笑うと全身がぶるぶると揺れちゃう。〝俺的にはよ?俺的にはスペルミスじゃなかったよ。だって全ては見る人次第じゃろ?考えてみ。何が本当なのか、言葉って何なのか?改名の理由はのぅ・・・俺が思うにはスタジオで新アルバムを作るたびに生まれ変わらなきゃなんないよ。(全てが一つの言葉のように)生まれ変わったらバンドのサウンドが変わるしだとすると名前も変えんといけんし。そんなの当然じゃろ。〟


Cellabrationのことを慣れないフロントマンとしての役割に注意をそらすためのものだと説明。〝ステージに立って人と話さんといけんとか、人がステージを見上げて何かを言ってくるとかさ、そんなの全く楽しいと思ったことがないわ―〟The Patienceが〝一歩引いて、深呼吸して今を楽しめること〟というアイディアの表しだという。

Ieroはおしゃべりだ。笑顔が絶えないし、前回私と会った時のことを話すし、ジーンズのひざ辺りにぽっかりと開いた穴をいじったりするし。穴からタトゥーが顔を出す。、あまりにも謙虚で慣れた役割から遠く離れてるのにフロントマンとして最高なんて言いづらいという。〝子供が3人もおるけん、今となっては忍耐はファッキン美徳じゃ〟と彼が笑う。〝忍耐を持って、みんなって様々な考え方を持っとることを理解してあげないと・・・生活の中で誤解から生じる落とし穴が多くてさ、ちゃんとお互いのことを知ろうとして、理解し合おうとしたら、人生よくなるじゃろ〟と彼が民衆的に語る。

〝あのね―自分を褒める人はクズだという考え方から来たけんね・・・それってめっちゃ東海岸的なことじゃ。自分はこれが上手いとか言えん、言う人は最低だ、とか・・・でも気づいたんよ。俺はこれが出来る、曲は書ける、書いた曲は歌える、ステージのど真ん中に立ってスポットライトを浴びても違和感ないなんだ。〟

IeroがParachutesで一緒に仕事したメタル/パンクプロデューサーRoss Robinson(Slipknot、At The Drive-In、The Cure)に憧れてることが明確だ。その経験が〝最も辛いと同時に励みになる、消耗されると同時に感銘を受ける体験〟だと表現したIeroが〝すごく威圧感のある、アグレッシブな人だと思ったRoss Robinsonにまつわる話や伝説が時には耐え切れないほどだった。〟

〝今回書いた曲って限界まで追い込む必要があるって感じた。そんなことを知りながらやると「うわ、この曲に殺されるじゃろ」って感じだった。そしてほんまにやばかったけど、想像してたと違う意味でやばかった〟とIeroが活発的にいう。

〝さっきの自慢の話と関係しとるよ―東海岸の考え方は上手くなるために自分を嫌いになんなきゃダメ。自分を苦しめて、自分がこれに相応しくないだ、次のステージに行かないと、頑張っても絶対先に進まないとか言い聞かせたりして、「ふざけんな!俺は次に行くんじゃ!」っていう気持ちにさせるんだ。それが俺の今までのスタジオ経験だった・・・でもRossはその正反対のことをした。彼は俺らを追い込んだけど、お前ら嫌いだ!みたいなアグレッシブな感じとかじゃなくて、ポジティブなやり方で。Rossは決して俺らが挫折するまで追い込んだりすることはなかった。彼が「よく聞け、お前は最高さ。今のお前はお前のベストだ。信じてくれないなら、俺はその理由を教えてやる。俺はお前を信じてるから」って言ってくれた。人を励ますのにまずは人を壊さないということがすごくシンプルなのに、俺にとっては目からウロコだった〟Ieroが話してるとまるで再びそのことに悟ったようだ。
〝Rossはメンタル手術っていうことをするんよ―それ、彼の言葉じゃ。部屋でバンドと一緒に曲を演奏してると突然彼がみんなを止めて、「この曲ってどんな意味を持ってるんだ?」と聞く。〟次の数分はIeroが父親からもらった車についての仮想の曲を話始めて、Robinsonがその話をどんな風に進めていくか説明していく。

〝深く深く、とにかく深く掘り下げてみると、本当は車の曲じゃなくて、父親との関係についての曲だって気づくんよ。父親との関係やなんでこの車が大切だとか・・・自由という贈り物が与えられたについてとか〟仮想なのに結構納得する曲をその場で考えちゃってすごいなと彼はくすくす笑う。

〝アーティストとしての自分と、書いた曲について最初は分からんかったこと気づくし、新発見もある。なんでこんな気持ちになるのか分からんかったこともよりはっきりするし。感情の核心部、書いた曲の核心部に迫るってさ、ほんまにさ、エネルギーを消耗するわ。めっちゃ疲れるし、今まで経験したことや子供の頃にあって欲しかった経験のことで号泣してしまうほどにくたくたになる。しかも友達の目の前でさ。これでみんなが曲の本当の意味が分かる、そして彼が「じゃ、お前らはどう思うかね?こういう経験あったことある?」ってみんなに聞くわけ。〟

Ieroのストーリーテーリングがあまりにも生き生きしててあの時Robinsonと一緒にスタジオにいたバンドメンバーと同じぐらい動揺してしまう。〝そして曲が自分と自分の人生にどういう意味を持つか意識しながらプレイしてる・・・今はみんなの心がひとつだ。Rossとこのやり方をやってみて、ほかのやり方でやったって意味がないような気がする

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