Alt Press: Ray Toro Interview
記事:Jason Pettigrew
翻訳:@postmcrjapan
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制作に3年半もかかったが、元My Chemical RomanceギタリストRay Toro初のソロアルバムのリリースが発表された。11月8日というリリース日を持ち、アルバムRemember the Laughter全曲の作曲作詞、そしてほとんどの楽器の演奏(ギタリストTim Pierce、ベーシストChris Chaney、そしてドラマーJarrod Alexanderも参加)に加えボーカルもToroによるもの。
アルバムのスケールは意外と多様で、Toroらしい音楽への先入観を全てぶち壊す。コンセプトアルバムではないが、Laughterは老人が子供の頃に育てられた家に尋ねると聴き覚えのあるメロディーが聴こえてくるというストーリーに基づいてる。音色を頼りに進んでみると老人の父親が残した箱を発見して、その中身が人生の思い出や学んだ教訓を思い出せる。音楽的にいうと、Toroの代名詞であるギターシュレッドも入ってるけど、Remember The Laughterで彼の作曲能力が目立つ。タイトルトラックのプログレッシブロックからニューウェーヴ("Isn't That Something"と"Take The World")やThe Rolling StonesとThe Fabulous Thunderbirdsが似合いそうなブルースロックチューンまでとジャンルが幅広い。壮大で魅力的、全てが圧倒的にRay。"Take The World"の歌詞動画もアップされて、Remember The Laughterのプレオーダーも開始してる。
Jason PettigrewがToroにRay Toroアルバムの〝あるべきサウンド〟への先入観を捨ててもらうこと、親としての責任を楽しむこと、そしてLaughterのライブがどんな感じになるのか(ヒント:ポップコーンを用意すべき!)について伺った。
今回のアルバムを〝(マイケミから)かけ離れた〟と呼ぶのは間違ってるよね。だって大成功したロックバンドの4分の1としてしか聴いたことがないですもんね。ソロでやってる音楽とマイケミでやった音楽に似てるものはあると思う?
似てるところがあるのなら、それは作曲にある。面白い且つしっくりくるメロディー探しとか。マイケミとしてGerard (Way)と一緒に作曲した時、彼が輝くようなコード進行を見つけるのがもっとも重要だったこと。次の魔法の音に彼を導くように僕とGerardがしっくり来る音をずっと探してた。そしてそれが次の魔法のメロディー、ボーカルでもサビでも、に繋がる。そういうことをソロアルバムで実践した。
アルバムの多様性に関しては、バンドメンバーはみんな影響された音楽がそれぞれのプレイスタイルに出ると取材とかで言ったことがある。そしてみんなのソロアルバムでそういう影響をより掘り下げてることが分かる。僕の場合、自分の好きな音楽を自分なりに解釈してみた。タイトルトラックは(Pink Floyd)のDark Side of the MoonにちょっとBeatlesを入れてみた。〝We Save〟は僕の大好きなブルースギターを。僕らのソロアルバムで自分たちがどういうプレーヤーでどういうソングライターか探ることが出来た。
多様的なアルバムとしては一体感がしっかりある一連の作品でまったく気取ってないよね。
正直それが一番大変だったこと。アルバムがほとんど出来たと思った去年にもキミと話したよね。当時はアルバムからカットされた途中まで出来た、または完全に出来た曲が20曲ぐらいあった。アルバムを聴きかえすと〝これってちょっとバラバラすぎるかも。アルバムを繋いでくれてるのは何だろう?〟と思った。マイケミもそうだった。僕らは〝ただの曲〟をリリースしたくなかった、一連の作品を出したかった。キャッチーで人に目立つシングルはあったけど、アルバムとしては車の中とか、夜にヘッドホンをつけて最初から最後まで聴いてもらいたい、人に音楽に酔いしれて欲しい。
そこがRemember The Laughterの難しいところだった。作曲に多様性が出て全てをどう繋げばいいか考える必要があった。3年半の間で書いた曲の集まりだ。マイケミが解散してすぐ父親になって人生が変わったし、おかげで成長したし、より良い人間、より良い夫、よい良い父親にしてくれた。人生とはどういうものか、色々分かってくるよね。今まで気づいてなかったことに気づくと思う。今の世の中にたくさんのことが起こってる。選挙の騒ぎとか、ミズーリ州のファーガソンで起こってることとか、個人的に自分の親のことと、親が経験した苦労や僕に教えてくれたこととか。そういうことがアルバムを繋いでくれた。
アルバムのテーマはポジティビティーや後悔、楽観、諦め、そして父と息子の関係。若いリスナーが年をとったことにより丸くなった中年ミュージシャンを〝Dad rock〟と呼ぶことが流行ってるが、人生を意識するには親にならなきゃいけないという訳じゃないよね。
まぁ年を取ったのは確かだが!(笑)より賢くなったとは言えないけど、今の自分は10年前の自分と、いや4年前の自分とでも全然違う。親になるってすごく謙虚にさせてしまうことよ。新しい命が自分の責任になるし、育てていかないといけないし。だから僕は自分の親と2人が背負った責任について考えるようになった。親が僕と兄2人の世話してるの見てたくさん学んだ。アルバムはある意味ですごく循環的で世代的。最初は自分の親を思案して、そして最後には息子と別れを。Dad rockだと?くだらないよ。父親になったことは俺に起こった最高の出来事よ。
ご家族との音楽の思い出はあります?
クリスマスになると親はいつも(プエルトリコ人ミュージシャン)Willie Colónのレコードをかけてた。すごく喜びに満ちた思いだ。居間でターンテーブルとでかいスピーカーがあってね。親がColónのレコードをかけてみんなが踊ったり笑ったりしてたの覚えてる。音楽って何よりも人を団結させる特別な力を持ってると思う。曲と聴くと、初めて聴いた時自分がどこにいたのかすぐ思い出すよね、10年前だろうが15年前だろうが。僕らの人生にすごく大事なものだと思う。最近はいいことがあって、次の世代がマイケミの曲と出会って、生まれる前に録音したのにそれでも共感できる何かを見つけてる。僕の曲にもそういった感情を伝えることができたらいいな。
ボーカルになってどうです?
すごく変だ(笑)どうやってやればいいか分かるまで時間がかかった。楽器ってそれぞれの特徴あるだろう?ギターならどうやって自分を表現したらいいか分かるよ。でもボーカル的どう自己表現したらいいか習ったことないから。僕のボーカルといえばグループハーモニーかみんなとのバックアップボーカルしかやったことない。ボーカルがどれほど大変で能力が試されるか痛感したし、改めてボーカルすごいなと思った。課題がいっぱいあった。その大半は歌える範囲のキーを探ることだった。ボーカルなら絶対分かることだけど、僕には大変だった。そして作詞も。すらすら書ける日もあれば、曲を一週間ぐらい放置してから再チャレンジする時もあった。アルバムの音楽は簡単だったけど、ボーカルと歌詞は一番時間かかったよ。
自分は自分のボスで作品の全てが自分の責任だね。アルバムは完成だ。ライブは考えてます?
今年は何の予定もない。今は来年のスケジュールに合う日時を今調べてる。僕の夢なんだけど、ライブでアルバムの映画的要素を取り入れたいな。どうやってライブをやるかのアイディアはあるけど、それをどう実現できるか考えないと。レーベルに所属してないから全て自腹でやらないとね。アルバムを聴くと映画が見える。映画っていうよりはシーンと映像が見える。そんな風に見せたい。それが次の課題だ。
自分の運命は自分次第ってすごいよね。
だろう!ある意味ですごく自由になれるけど、反対に〝うわ、僕どうやってコレ出来たんだ?〟って感じ(笑)新しいことにチャレンジするのが大好きだけど、それがたまに時間かかるよね。
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