Frank Iero: 忍耐は美徳
記事:Matt Doria
翻訳:@frankierojapan
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水曜日の午前7時。BluntがFrank Ieroに電話をした。背の低さを声のボリュームでカバーしようとしてるニュージャージーノイズメーカーだが、本日はできるだけ声を使わないようにしてる。Riot Festが彼の声帯を破壊したのに取材の約束をひとつも破らずIeroは前向きだ。だって彼にとって集大成となるかもしれないアルバムのリリース直前だ。
激動の2年を経て、Ieroはやっと自分のソロキャリアをどういう方向に進めていきたいか分かった。2014年のStomachaches(frnkiero andthe cellabrationとしてリリース)がまさかリリースされると思わなかったせいか、リリース後のツアーや全ての出来事がIeroの世界を劇的に変えた。
しかし今のIeroは落ち着いてる。だからこそバンド名をFrank Iero and the Patienceに改名した。そして明快なパンク大作Parachutesはその落ち着いた心を何より証明する。10月28日のリリース前(そして今週の豪州ツアー前)僕らはIeroに取材して、自分をアルバムで表現することや、厳しいと有名なプロデューサーとの仕事、そしてライブ前にかかせないたくさんのお茶について語ってくれた。
最も大事な質問から始めたいけど、フランクのわんちゃんたちは元気か?
みんな老犬になりよるけど元気さ(笑)あいつらは幸せじゃ・・・幸せでとろい(笑)
一緒にツアーしようと思わないのか?
いやぁそれはね!やったことあるけどさ、結構大変なんよ。なんかちょっと変な気持ちになるし、あいつらも慣れない場所にいると落ち着けないし、変なとこでおしっこしたりするしさ。思ってたほど楽しくなかったけどまぁ、トラベルに向き不向きあるけんね。
過去はStomachachesリリースするつもりなかったから人がどう受け止めるか考えてなかったと言ったが、それに比べて人が聴くこと、期待することを前提にアルバムParachutesを書くというのはどうだった?プレッシャー感じた?
もちろん。スタジオに着くと〝ちゃんとしたアルバムを書かんと〟って気付いてさ。前回は何気なく曲が浮かべて録音したけど、アルバム書いてるという感覚はなかった。そして今回は〝よし、ちゃんとアルバムを書かないと〟ってなって、〝えっ出来るの俺?!〟みたいな。恐ろしい実感だったけど、考えてみると一括にやらんでいいって気付いた。自分のやり方でやるにはどうしたらいいか考えて、少しずつ作曲をやり始めた。
人が曲と聴くって・・・なんか日記を書いてるみたいだけど、人がその日記を読むことが分かるような感じ。じゃけん全てを隠して嘘をつくか―真実が分からないようにね?―それともできるだけ正直で書くか、伝えようとしてることをできるだけ分かりやすくするか。俺はその後者を。これを機会に自分の言いたいこと、言いたいことをどう伝えることを意識しようとした。
Stomachachesに即時性がある。いい意味でめちゃくちゃだ。しかしParachutesの方がもっと収まって学問的。その違いは今の人生の表しだと思う?
そうだね。本当にそうだと思う。前言ったように前回は意識的にアルバムを書いというわけじゃなかった。Stomachachesでツアーとかそんなの全く考えてなくて、何の目的もなかった。それよりは〝身体的に楽になるから曲を書こう。終わったら引き出しに閉まってタイムカプセルにしよう、体験したことが分かるように。〟でも今回は違う。全てが違う、俺の人生だって違う。2年間もこのプロジェクトをやってパフォーマーとして、ソングライターとしてめっちゃ成長した。ソロアーティストやフロントマンとしての役割に馴染んできたよ。なろうと思わなかったからまったく準備ができなかったよね。
だから今回はプロジェクトからどういう結果が欲しいか明確だった。自分のやりたいようにやったらきっと楽しめると思ったけん、曲をどう出すか、どういうサウンドにするか徹底的に計算した。曲が限界まで追い込めと俺に訴えたから限界ぎりぎりまで追い込むように頑張った。おかげで一体感が生まれた。Stomachachesが瞬間のコレクションなら、Parachutesは全ての意味でアルバムだ。
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タイトルの意味が特にお気に入りだ。パラシュートは救命道具でこのアルバムはフランクのパラシュートのひとつだ。自分の人生経験をどうアルバムにしたのか、そしてそれがどうやってパラシュートになったか教えてください。
Ross(Robinson、プロデューサー)と俺はアルバム制作中に人生においた特別な瞬間についてよく話した。ほら、自分を人間として作った瞬間とか。彼がいつもたくさんの質問をしてくれた。〝・・・自分に起こった最も最悪な出来事は何だった?〟とか〝この曲はフランクの人生のいつの話だ?〟とか。よくさ、物事は俺らに起こると思われがちなんじゃけど、本当は俺らのために起こるんだ。
だから俺は当時最悪だと思った瞬間や出来事について書き始めた。でも途中から気付いたことがあってさ。どん底に突き落とされるって実は起き上がることを学ぶチャンスなんだ。俺らに起こった最悪の出来事さえも実は最も良い出来事だってことある。今回のアルバムに収録された曲のほとんどがそういう話だ。俺らの人生や周りに大事にしてる人やモノを考えさせる瞬間がテーマだ。世界が終わるような気持ちにさせるかもしれないけど、瞬間自体は悪いものじゃない。悪いものも、良いものもないという実感についてのアルバムだ。全ては考え方次第だ。
前回話した時、子供が不思議で創造力豊かだからフランクが子供から影響を受けてるという話をした。Parachutes作曲中にも子供たちからの影響はあった?
もちろんよ!子供はバンド名もインスパイアしたような気がするよ。子供たちが独立していって個性のある小さな人間になるにつれ、子供たちとの時間がどれだけ大切か実感するし、これからやってくることを心配するのはよくないことも実感。ちっちゃなことばかり見てると全体図が見えてこないっていうか。俺にはもっとpatience(辛抱、我慢)が欲しいよ。一歩離れて今この瞬間を大切にする能力が欲しい。
アルバムはRoss RobinsonとSteve Evettsと一緒に制作した。〝最も辛いと同時に励みになる、消耗されると同時に感銘を受ける体験〟と言ったが、その理由は?
RossとSteveと彼らのやり方にまつわる話はきっと山ほど聞いたことあると思う。スタジオで彼らがアーティストから狙ったパフォーマンスを引き出す方法とかについてさ。じゃけん俺は長い間あの2人と仕事するのがばり怖くてさ(笑)。話を聞いてても実際の経験の前には何の助けにはならん。17日間スタジオで一緒に仕事して12曲を完成させた。彼はね、〝メンタル手術〟っていうことをやるんだけど、説明すると曲の中心、曲がどういうことについて書いたか気付かせるためのたくさんの質問をするんだ。しかもそのやり方がパワフルでポジティブで励ますようなやり方でさ。今までに経験したことがないようなやり方だった。
〝自分をよくするには自分をとことん攻める〟という考え方に育てられた。〝俺って下手くそ!上手くなるためには上手くなるしかない〟みたいな。でも彼はそんなのせんかった。彼は今の自分は最高の自分で、それがなぜなのか明確にしてくれる。攻撃性がまったくなく、ポジティブでしかなかった。それにまぁ、俺らに色々投げたけど悪い意味で投げたんじゃなくて、彼が興奮しただけだ。全てにおいて全身投球でテイクごとに部屋から離れない、目の前で俺らを盛り上げてくれてさ。もう一人のバンドメンバーになっちゃうんだよね・・・こんなにも疲れるレコーディング経験したことないわ(笑)
ツアーなんだけど、今月は豪州ツアーがスタート!1月にはアコースティックライブがあったばかりだが、なぜこんなにも早くまた豪州に?
当時はバンドと一緒に来るつもりだったけど、残念ながらそのチャンスがなくて。1月には〝行っちゃいけんって言う人おらんじゃろ〟って思って俺らはギターを持ってライブをさせてくれる場所どこでもライブした。でも今回は正真正銘のツアーでフルバンドと一緒に行ける状況でさ。いえば長年の夢が実現したよ!アコースティックライブからしばらくしたらレーベルの人がプロモーターと連絡取れてツアーできるよ!って言われたけん、俺はすぐにやろう!と。
メルボルンはライブ中にタトゥー彫ってもらったそうだが、どうだった?
初めての体験だったわ(笑)レーベルと話した時、俺らは〝まだオーストラリアに行きたい〟って言ってたら、〝じゃ何がしたいかい?〟って。で俺は〝ライブしたい!色んなとこ行ってみんなと遊びたい。キッズの一人になりたいわ〟って。するとレーベルが〝よし、それができる場所いくつか見つけたけん〟って。そしてその場所のひとつがメルボルンにある素敵なタトゥーのお店(Eureka Rebellion)だったけん、俺が〝完璧じゃ!・・・因みにライブ前のトーク中にタトゥーを彫ってくれる彫り師おらんよね?〟って聞いたら〝おるよ!〟って。おう!やるぞ!的な展開で何より楽しそうだったけん(笑)
タトゥーについて話してくれないか?
Hey Jealousy!のタトゥーだ。Gin Blossoms大好きだし、子供の子守唄で歌ってる歌だし。嬉しかったな。
Blunt TVの取材をした時にパックのお茶を家から持参してお茶を入れると言ったが、そこから気になったことが。ライブ前にとあるお茶を飲むっていうのは何かのおまじないなの?
お茶にはまったのはごく最近でさ(笑)Stomachachesを録音した前に、俺はボーカルになるつもりなんてなかったし、声をどう使えばいいか分からなかったし。だから俺はボイストレーナーを探した。やるんだったらこの声という楽器の使い方を覚えとかないと!って思ってね。ボイストレーナーのおかげでお茶やボーカルウォームアップが好きになって。ほんまにかかせんことなんよ。お茶とウォームアップだけじゃなくて、自分自身も大切にすることも・・・まぁ今は声がひどいんじゃけど、でもそれは今週のダブルヘッダーやDeath Spellsライブあってから昼間はインタビューばかりやってもう声が残っとらん状態で・・・でもお茶はしっかり飲んどるよ!俺は色んなお茶が入ったタッパーを常に持っとるし、しょうがもいつも持っとるよ!(笑)
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